しげとく和彦
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「マイナンバー制度の審議」H27.6.15

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○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。重徳和彦君。
○重徳委員 維新の党の重徳和彦です。
 質疑に立たせていただきまして、ありがとうございます。四十分ほどお時間をいただいております。
 私は、まずマイナンバー、今回、まだ本体が施行前における改正だという点を踏まえまして、質疑をさせてください。
 いわゆる住民基本台帳ネットワーク、住基ネットが十年ほど前に導入されたときにも、当時は、初めての経験ということで、国民総背番号制などと言われて、それの是非が相当議論がなされました。批判も多かったです。ですけれども、このほど福島県矢祭町も加入するということになりまして、一息ついたというか、定着してきた感があるなと思っております。
 他方で、今回のマイナンバーというのは、住民基本台帳ネットワークとは、ちょっとというか、かなり今後の展開が違うなというふうに感じております。特に、まだ施行はされておりませんので、国民的にどう受けとめられるのかも、ことしの十月あるいは来年の一月以降の様子を見なきゃわかりませんが、さらに三年後をめどに利用範囲も拡大が検討されていく、そして民間活用も視野に入る、こういったものでございます。
 ちょっと確認しておきたいんですけれども、マイナンバー、特に数字というものが個人個人に渡されるマイナンバーと、住基ネットにおいても住民票コードなんという数字がありますけれども、このあたり、どう違うのか、違いは何かということを確認させてください。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 住基コードは、もちろん国民にそれぞれ通知されているわけでございますけれども、基本的には住民基本台帳にかかわる事務に、さらに、例えば年金なんかで年金番号が二重付番されないような確認には使われておりますけれども、基本的には住民基本台帳事務に限られて使われている。
 一方で、マイナンバーは、むしろ、税、社会保障、災害の一定の閉じた分野ではありますが、かなり広い分野にわたってマイナンバーを使って名寄せをするとともに、情報を連携することを前提につくってございます。もちろん、使える範囲あるいは情報を連携する範囲というのは、全て法律で書き切ってございますので、ポジティブリストで書き切っておりますが、そういうふうなことを前提としておりますので、一種、見える番号と申しますか、他人に知られ得る番号というふうなことになっているということでございます。
 ただ、日本の場合ですと、国民一人一人を特定する手段としては、通常、住基台帳を使うか、それとも戸籍を使うかの二種類だろうと思われますが、既に住基コードがあることから、住基コードからマイナンバーを振り出す、そういう仕組みをとったものでございます。
○重徳委員 そうですね、大きく言えばそういうことであります。
 結局、住基台帳ネットワークについては、どこまで行っても行政の中の世界でしか使われていない。番号も、もちろん、自分が何番なのかというのはほとんどの国民の皆さんは知らないということでありまして、いい意味で日本の役所というのは割と信頼性も高くて、かつ、もちろん問題が起きないように常に議会がチェックするという機能もビルトインされていますので、そういう意味でも比較的安心感を持ってこれまで運用され、そして定着してきたのじゃないかな、こんな印象を持っております。
 ですが、マイナンバーはこれからどんどんと広げていこうと。推進論者はすごいですね、本当に、何にでも使っちゃえ、こういう感じの論者もいますので、どうなっていくんだろうか、ここがわからないんです。
 その意味では、現段階では、マイナンバーも行政の中、公的機関の中でしか使われないような規定になっておりますけれども、今後民間に広く活用されてこそ、いろいろな意味での利便性だとか経費節減効果が出てくるんだ、このような論者というか、多分、政府としても既に想定していると思うんですが、こういう段階であります。
 まだマイナンバーは施行されていません。だから、自分の番号が何番かも国民的にもわかりません。どういう形であれ、マイナンバーを、個人番号カードを使ったことがある国民はまだ一人もいません。こういう段階で、今回、既に利用範囲を拡大する改正、これまでも何度か行われてきたということでありますが、後ほど各論はやりますけれども、いずれにしても、この段階で既に利用範囲を拡大するための改正を行う、この点について、もっと慎重でなきゃいけないのではないかと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
○山口国務大臣 先ほど住基ネットのお話もお伺いをしておりまして、恐らく重徳先生も、総務省時代、大変御苦労をなさったんだろうと思います。
 私も、党の方で結構当時はいろいろな将来展望を夢見ながらやったわけですが、御案内のとおりでありまして、そういった中で、マイナンバーはやはり、いかに国民の皆様方にしっかりと普及をさせていくか、これが一番大事なんだろうと思います。
 今御質問いただきましたいわゆる利用範囲の拡大ということでありますが、メタボ健診情報の管理とか預貯金付番など、今般の改正法案で新たに追加をするマイナンバーの利用事務は、実はいずれも現行のマイナンバーの利用範囲としております。
 これは基本理念の三条二項に出ておりますが、社会保障、税、災害対策等に関する行政事務の範囲内の事務であるというふうなことでありまして、これらの事務につきましては、マイナンバーの利用事務に追加をすることによって、より公平公正な社会保障制度や税制の実現、あるいは行政の効率化とか国民の皆様方の利便性向上に資することが期待できるというふうなことでございます。
○重徳委員 総論的なところは今確認できましたが、少しずつ各論に入っていきたいと思います。
 私は、マイナンバーについて、今大臣が言われた税、社会保障などの公平公正性の確保、それから効率性の確保といった意味で、前向きに考えている部分もあります。特に、社会保障といっても、その給付の前提となる所得情報とか資産の情報、これをちゃんと把握しないと、いたずらに給付ばかりふえていくというようなことも現にあるというふうに言われておりますし、昨年、医療介護総合確保法が成立をしまして、その中にも一部こういった趣旨の改正も行われております。
 これも若干総論的にはなりますけれども、今回、預貯金には預貯金口座に付番できることになりました、任意ですが。私も、これはどっちかというともっと広げていく、いずれ義務化するような方向の方がいいんじゃないかと思っているんです。
 ですが、このマイナンバーが将来的に目指している公正公平性ということからすると、金融資産は今回道が開かれたわけですが、とりわけ不動産の資産の方にも何らかの形で付番をしていくことを考えていかなければ、結局、マイナンバーが目指す崇高な、大きなビジョンというものが実現できないんじゃないか、いつまでたってもたどり着けないんじゃないか、こう思うんですが、この点、政務官、どのようにお考えでしょうか。
○松本大臣政務官 マイナンバー制度はより公平な社会保障制度や税制の基盤となるものでありまして、委員御指摘のとおり、用途の拡大というのは大変意味のあるものだと思っております。
 政府が国民の所得や資産をどのような方法で、どこまで把握するのか、それに伴う国民の負担なども勘案をした上で、社会保障制度、また税制といったそれぞれの制度の中で検討されていくべきものと考えているところでございます。
○重徳委員 余り答えになっていなかったような感じがしますけれども。各論を詰めていかないと、これはなかなか一概には言えない部分ではあるんでしょう。
 では、ちょっと一つ各論を出しますが、去年、それこそ隣の田村筆頭理事が大臣時代に随分議論をさせていただいた医療介護総合確保法なんですが、その中の一つの重要な項目として、特養などに施設入所するときにかかる費用がありますね。食費とか居住費、これは原則、本人負担なんですけれども、ただ、住民税の非課税世帯である入居者については、申請に基づいて補足給付というものが支給されて負担が軽減される、こういう仕組みがあります。
 これの見直しが、昨年、法改正が行われまして、非課税世帯というだけじゃだめだ、資産を勘案する必要があるということで、今資料をお配りしておりますが、下の「要件の見直し」、下から三つ目、預貯金等が勘案されることになりました。単身では一千万円超、夫婦世帯では二千万円超の預貯金がある場合は、補足給付は支給されませんよ、こういう内容なんですね。
 これに対しまして、預貯金は現金として口座に預けてあるものだけれども、預貯金がたくさんあったら給付はもらえないんだけれども、では、その預貯金を引き出して、そして土地を買いましょう、土地をたくさん持っています、何千万円分持っていますという人は給付がもらえるじゃないかという指摘を、我が党の清水鴻一郎議員が何度も田村大臣に対しまして質問をさせていただきました。
 これは結局、先送りだというような検討はしているけれども、今はまだだめだみたいなことなんですが、しかし、議事録をちょっとチェックしたところ、昨年五月九日には、当時の原老健局長は、不動産を担保とした貸付制度を引き続き具体化に向けて取り組むという御答弁がございました。
 つまり、リバースモーゲージと言われますね、不動産を担保にお金を借りる、そして、最終的には、その方が亡くなったときにその不動産を売り払って借金を返す、こういう仕組みなんですが、こういうようなことを導入して、少しでも資産のある方にまで給付をするという公平性を欠く部分をなくしていこうじゃないか、こういう提案を清水議員が幾度となく指摘をされていました。
 ですが、昨年の時点では、五月の時点では、これから引き続き検討していきますという状況だった、今回の法案は、とりあえず金融資産だけでもまずはやらせてくれというような内容の政府案で、最終的に成立をしたわけですが、その後、この検討状況というのはいかがでしょうか。
○苧谷政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘がありましたように、補足給付に不動産要件を追加することにつきましては、不動産は預貯金と異なりまして、現に居住している場合があるなど、直ちに現金化して活用することが難しいという課題がございます。
 このため、補足給付の資産勘案を検討した平成二十五年度の社会保障審議会介護保険部会におきましては、補足給付のかわりに不動産を担保とした貸し付けを行う仕組みを検討したところでございます。
 しかし、この仕組みを実現するには、貸し付けの対象者や不動産の評価方法、業務を受託する機関の確保、担保不動産の処分方法などの実務、体制面での課題があるとの指摘もあったところでございまして、平成二十六年度の医療介護総合確保推進法における改正は見送ったところでございます。
 このため、不動産にマイナンバーを付番する議論以前に、まずは不動産を担保とした貸付制度などの検討が必要であり、これまで指摘のあった課題も含め現在検討しているところでございまして、現在、民間のシンクタンク、金融機関等の関係者の知見も参考にしつつ検討を行っている段階でございます。
 不動産の勘案自体は大変重要な検討課題と考えておるため、引き続き検討していきたいと考えてございます。
○重徳委員 重要な課題であるけれども引き続き検討というのは、いつまでというのも何もないし、早急にやるという言葉も今なかったので、そういうことを目指しているのかどうかも今の御答弁でははっきりしませんね。
 やはり、重大な公平性確保のための手段だと思うんですよ。預貯金を持っていたらアウトだけれども、土地ならいいよというのは、これはなじみのない人も多いかもしれませんが、私もそんなにお金はありませんけれども、お金を持っている人あるいは資産を持っている人は、それをどういうふうにとっておくと一番いいかということは一番最初に考えることですから、こんな抜け穴のあるような制度では、やはりこれからもずっとその不公平な状態が続くと思うんです。
 だから、今、松本政務官にもぜひ認識をいただきたいんですけれども、マイナンバーの前提として、こういった課題をクリアしなければ、幾らマイナンバーを少しずつ、まずは任意、そのうち義務化と言っていたって、預貯金口座ばかりしっかり把握できたって、不動産が全然野放しでは、目指すべき姿が全然実現されていかないんです。
 もう一度、厚労省の方から、いつまでにということをちょっとここで明言できませんか。
○苧谷政府参考人 御指摘の問題は極めて重要な課題であるというふうに考えてございますが、先ほど申し上げましたような課題を一つ一つクリアしていかなきゃいけませんので、なかなか、導入の今現在の時期ですとかそういうのは、今、もう少し検討させていただきたいと思っております。
○重徳委員 去年の五月から言っていることですから、一年たったけれどもまだ全然だめ、そういう答弁なんですかね。
 しかも、非常に重要な指摘だと思います。ずっと清水議員がこれにこだわっていた意味も、当時から私もなるほどと思っておりましたが、いよいよマイナンバーという段階に入ってもなおめどが立っていない。
 海外ではやっているわけですから。海外の事例は既にありますよね。去年は、田村前大臣の答弁も含めて、土地を持っていても必ずしも売れるかどうかわからないとかいろいろなことを言われましたが、仮の給付をしておいて、後で取り戻せるものは取り戻す、土地を売れれば売って取り戻すというやり方とか、いろいろ弾力的なやり方があると思うんです。
 だから、社会の不公正性を是正するために、今は何遍聞いても同じ御答弁でしょうから。
 では、前向きな答弁をできるなら今お願いしたいんですけれども、いかがでしょうか、頑張っていただけないか。
○苧谷政府参考人 御指摘の問題意識を考えまして、現在の検討の段階では、今先生も御指摘になりました、不動産を担保としての貸し付け、それから、その土地を借り上げて、それをかわりに貸しましょう、そして上がった地代で補足給付のかわりにするというようなこと、いろいろな方法がありますよということが一応報告書として上がってまいりました。
 ことしは、それを踏まえまして、いろいろアンケートして、では実際にそういう業者はいますかということを今調べようというふうにしております。その結果、ある程度やっていただける業者さん、これは業者さんがいないと実は実現できないものでございますので、やれる人がある程度いるとか、そういうことがわかってくれば前向きに進められると思っておりますので、できる限りそういう方向で進めたいというふうに思っております。
○重徳委員 少なくとも、去年の五月の段階で、みずほ銀行がリバースモーゲージに取り組み始める、そういう記事も指摘しながら清水議員は質疑に立たれておりましたので、全くこの世の中で誰も取り扱えないという状態ではないと思うんです。
 ですから、この問題は引き続き検討していただきたいし、いろいろな場において、私も関心を持ってその後押しをしていきたいと思っております。
 次に、今は推進すべきだという進めるべき点について指摘を申し上げましたが、次は逆に、もっと慎重じゃなきゃいけないんじゃないかという点について申し上げます。
 それは、医療情報の取り扱いなんです。
 今回、改正案の中では、個人情報保護法二条三項に要配慮個人情報として病歴というのが入りました。この要配慮個人情報に病歴が位置づけられることによって、どういう効果があるのでしょうか。特に、マイナンバーにひもづけされるようなことはないというふうに考えていいんでしょうか。どういうものなんでしょうか。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 今回の法案では、人種、信条等、事業者が正当な理由なく取り扱うことによって差別や偏見を生ずるおそれがあるため特に慎重な取り扱いが求められる個人情報を要配慮個人情報として定義することとしており、病歴についても、法律上、要配慮個人情報に当たるものとしているところでございます。
 要配慮個人情報は、原則として本人の同意なくして取得してはならないこと、それから、一定の手続のもとであらかじめ本人の同意を得ずに第三者提供できるとするオプトアウト手続、第三者提供には、同意をとって提供する場合と、後から自由にできますよということでオプトアウトという形でできるもの、二種類ございますが、そのオプトアウト手続による第三者提供を禁止するということになってございます。
 そういうことで、病歴も要配慮個人情報に当たるとすることにより、本人の意図しないところで当該本人に関する病歴の情報が取得されること、及びそれに基づいて本人が差別的取り扱いを受けることを防止することが期待されるものでございます。
 一方で、マイナンバーのひもづいた情報は、マイナンバー法上、個人情報保護法の特例措置がございまして、より厳しい情報の保護が求められております。例えば、情報の漏えいにつきましても、個人情報保護法ですと、要配慮情報も含めまして、基本的には、そういう違反があった場合には、現在ですと主務大臣、改正法ですと個人情報保護委員会の命令があり、その命令に従わない場合に罰則ということになりますが、マイナンバー法ですと、一定の要件を満たしますと、そういう情報データ、マイナンバーづきの情報データを漏えいするだけで罰則がかかるというふうになってございますので、マイナンバー法の方がより厳しい、そういうふうな個人情報の保護が求められるということになってございます。
○重徳委員 一般法である個人情報保護法による罰則よりも、マイナンバー法というか、マイナンバーにおける罰則の方が厳しいということはわかりましたが、要配慮個人情報に位置づけられたからといってひもづけが行われないわけではないということですね。つまり、行われるわけですね。行われるということですが、罰則を厳しくするというだけでこの趣旨は守られるんですか。どういうお考えでしょうか。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 病歴等につきましては、現時点では、今回、マイナンバー法の対象にはしていないところでございまして、厚生労働省で検討はされているというところでございます。
 今回は病歴とまでいかないメタボ健診ということでございますけれども、基本的には、そのメタボ健診も同様にマイナンバーをひもづけることによりまして、通常ですと漏えいには罰則は直接はかからないんですが、今回は直接に罰則がかかるとか、取り扱いにつきましても通常の個人情報よりも重い管理義務がかかるとかいうふうなことがございますので、これらにつきましては、特にそういうプライバシーの問題をさらに広げるようなことにならない。特に、今回のものは保険者間のメタボ健診の情報の異動でございますので、それも法律でそれしかできないように書いてございます。
 したがいまして、そういうふうなメタボ健診の情報にマイナンバーをつけたからといって、法律に違反して他の情報とひもづくようなことはない、システム上もそういうふうなシステムを組みたいというふうに考えております。
○重徳委員 不安がよぎりますね。
 今回はということで審議官はずっと御答弁されていますけれども、今回は病歴にかかわる情報はマイナンバーの対象としていない、それから、今回は保険者間でしかその情報は流通させないということでありますが、さっきから言っているように、今後、施行後三年たったら、また利用範囲を拡大する、利用のされ方も拡大する、こういうことが見込まれているし、それを推進すべきだという方も大勢いて、私も、資産情報は進めるべきだとは思いますが、病歴、それから、今ちょうど審議官が言われましたメタボ健診情報、これだって、病歴かどうか、ぴたっとはまるかどうかわかりませんが、近いところにあるし、場合によってはちょっと重なりますよね、恐らく。
 こういったあたりも非常に、それでもいいんだ、進めるんだということで、もう腹を決めているんだったら、それはそういうふうに言っていただきたいんですが、いや、そうじゃないよ、やはり、要配慮個人情報というのは、病歴を初めとした大変プライバシーにかかわる情報だから、漏らしちゃいけない、漏らしたら厳罰が待っていると。こういう仕組みにはなっているものの、とりあえず今回はというようなお答えなんですよ。
 それで、今回の改正では、今審議官が言及されました、メタボ健診がマイナンバーにひもづけをされるということになっているんですが、これは明確に病歴じゃないという整理なんでしょうか、確認をしたいと思います。
○向井政府参考人 メタボ健診情報にもいろいろな情報が入っているということは、もう先生御承知のとおりだと思いますので、その中で、今回の個人情報保護法の改正によりまして、病歴というのを今後細かく決めることになろうかと思いますが、その中に含まれるものも入り得ると思っております。
○重徳委員 入り得るんですよね。ちょっと今の御答弁は矛盾すると思うんですよ。
 病歴は、今回、マイナンバーひもづけにはしていないんだよというお話を今されましたよね。だけれども、メタボ健診情報も病歴になり得る。どっちなんですか。
○向井政府参考人 舌足らずで申しわけございません。
 最初に申し上げましたのは、いわゆるカルテ情報でございます。医療機関で持っておりますカルテ情報につきましては、今回、マイナンバーには入っていない。それで、健診情報を今回入れております。
 一方で、病歴というのはそれとは別の概念でございまして、カルテ情報は、まず基本的には入るだろうと考えますが、健診情報によりましても、健診の中にはほぼ過去の病歴的なものも入っておりますので、そういう場合は病歴に入るものと考えております。
○重徳委員 これは非常にわかりにくいんですよね。今説明を聞いても、一応の説明にはなっていたと思いますが、こういう紛らわしいようなことになっているんだったら、むしろ、病歴だけじゃなくて、健診とか診療とか調剤とか、そういう医療にかかわる個人情報は要配慮個人情報に位置づけて、きちんと守っていくということも考えられると思います。
 マイナンバーにひもづけされるされないの線引きも曖昧だと思いますが、メタボ情報というのも何か幅がありますし。そういう意味では、今回は、私がこの法案を見て理解したのは、メタボ健診情報というのは病歴ではないよ、ないからこそ、ひもづけはありだよという整理なのかなと思って、一応、政府案はそういうことなんだなというふうに一旦理解は、理解というか、そういう頭の整理だったんです。
 だけれども、本来は、メタボ健診情報はやはり病歴の一部じゃないか、というか一部重なるじゃないか、であればひもづけをすべきではない。あるいは、要配慮個人情報には、病歴だけじゃなくて、そもそも健診情報も機微な情報たり得るわけだから、それも含めて入れて、したがって、ひもづけなし。いずれにしても、簡単にひもづけちゃったらいけない情報なんじゃないかと思います。
 そこで、メタボ健診情報というのは、誰がどう扱うことを想定されているんでしょうか。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 メタボ健診情報をマイナンバーで管理するのは保険者でございます。
 そして、保険者が変わるということは、例えば会社が変わるとか、あるいは、高齢になって高齢者医療になるとか、保険者が変わることはよく起こることでございますが、その間に、現行でも引き継ぎはできることになっておりますが、個人を特定できないがために引き継ぎが必ずしもうまくいっているとは言えない状況でございます。その引き継ぎを確実にするためにマイナンバーを利用するというものでございます。
○重徳委員 各保険者もそれなりに取り組んではいると思うんですけれども、保険者の中での取り組みを今の段階ではよりしっかりやっていって、その間を結びつけるのはもう少し後に、きちんと議論した後でもいいんじゃないかという感じがいたします。
 それから、今、私の見解として申し上げたことについてなんですが、病歴だけじゃなくて、診療とか健診とか調剤とか、それから、この間、河野委員が本会議でも質問されましたけれども、遺伝情報とかそういうものも、この要配慮個人情報に含まれないということなんですが、もっとこの分野の情報は含めるべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 マイナンバーにおきます、マイナンバーをひもづける、ひもづけないの基準と、それから、そういう意味で、今回の個人情報保護法上の要配慮個人情報の病歴に入るか入らないかの基準というのは、やはり基本的には違うものだと思っております。
 そういう中で、病歴に何が入るかは今後検討することになろうかと思いますが、先生おっしゃるような例えば投薬、投薬というのは病気がわかるという意味では病歴の一部になり得るものだと思っておりますので、そういうようなものを含むことも十分あり得べしとして検討させていただきたいと思っております。
○重徳委員 何か余りちゃんと整理されていないような印象がするんですけれども。
 やはり医療情報は、うがった見方かもしれませんけれども、しかし、各分野の業界、企業からすれば、企業にとっては非常に有益というか、重要な情報なんですよね。例えば金融機関だとか、特に生命保険会社からすれば、この人の医療情報というのは、自己申告よりもより客観性、専門性の高い情報が含まれているのであれば、非常に欲しい情報じゃないですか。あるいは、会社だって、採用する側からすれば、その人の健康状態とか過去の医療に関する情報というのは、やはり、あるなら見たいものですよね。
 だから、そういう意味では、今後どういう展開で民間にマイナンバーにかかわる情報が広がっていくかはまだわかりませんけれども、そういう情報にアクセスすることが合法だという状況にはもちろんならないと思いますが、しかし、不正なアクセスだって当然考えられるわけですから、民間開放を視野に入れると、今議論の対象となっているような投薬の話とかメタボ健診の話とか、そういうことも含めて、医療に関する情報というのがマイナンバーとそもそも何らかの形で結びつくようなことは避けなければならないと思うんですけれども、どうお考えですか。
○向井政府参考人 お答えいたします。
 その手の、いわゆるカルテ情報をどう扱うかというのは厚労省において検討されているところでございますけれども、おおむね考え方は二通りあるのかなと。
 一つは、まず、病診連携で、地域でカルテ情報を病院から診療所にやりとりしたりするのは既に何カ所もできておりますけれども、そういう場合、そういうものにマイナンバーをひもづけるべきだという考え方。一方で、そういうのはマイナンバーとは別の符号でひもづけるべきだと。ただ、その場合も、その別の符号というのがマイナンバーとひもづいているのか、ひもづいていないのかというのは、両方あり得るんだろうというふうに思っております。
 一方、先生、多分御承知だと思いますが、日本医師会は、マイナンバーとは別のIDを使えというふうに主張しているというところでございます。
 そういう中で、今後どういうやり方がいいのかというのは、そういう医療界の意見を聞きながら、厚労省においてIT室とともに検討していくことになろうかと思いますが、マイナンバーの民間利用という場合にぜひお考えいただきたいのは、マイナンバーそのものを利用拡大する場合、それからマイナンバーカードを利用拡大、そのマイナンバーカードの利用拡大というのは、そこにありますICチップの空き容量を使う場合と、そこに載っております公的個人認証機能を使う場合がございまして、多分、民間が最も欲しがっているのは公的個人認証利用。
 したがいまして、マイナンバーそのものを民間に自由に使わせるということは当面あり得ないというふうに考えておりますし、むしろ、民間といっても半公的な、今回は預金保険機構というのがありますけれども、何といいますか、より公的な部分に限られるものであろう。
 一方で、純粋な民間は、そういう公的個人認証なんかを使ってより利便性の高いものにしていく必要があるのではないか、そういうふうに考えております。
○重徳委員 ちょっと議論が先に進んじゃった感じがしますが、一回整理をして、大臣、今までお聞きのところの御見解も聞いてみたいんですが、今、向井審議官は、カルテ情報については今後の議論だ、マイナンバーとは別の仕組みを考えることもあり得ると。これから検討しますということだと思うんですけれども、ただ、メタボ健診情報も私は非常に気になっているんですよ。その範囲も必ずしも明確ではありません。ですから、これは医療における、カルテの情報じゃないかもしれないけれども、重要な個人情報だと思うんですね。
 ですから、冒頭申し上げました、国民がマイナンバーを、個人番号カードをまだ手にしてもいないそういう段階で、しかも、今後は民間開放が見込まれる中において、わざわざ前倒しをしてメタボ健診情報をマイナンバーにひもづけするという規定になっておりますが、これは本当にいいんでしょうか。これはもっと慎重に考えるべきではないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○山口国務大臣 メタボ健診情報といっても、いろいろあるんだろうと思うんですね。単に腰回りが何センチであるとか等々、いろいろあると思うんですが、それをやはりきちんと整理をした方がいいんだろうと思います。情報によっては、それこそ機微な情報と考えられる部分も、たとえメタボ健診情報といえどもあるんだろうと思います。そこら辺はしっかり整理をしていくということも必要なんだろうと思いますが、同時に、個人情報保護法の方では、いわゆる機微に触れるといいますか、そういった情報に関しては、別途、厳重に、これは個人情報としてしっかり守っていくというふうなことにも相なるわけであります。
 同時に、今回、マイナンバー、先ほど御答弁したとおりでありますが、法の範囲の中で広げるわけですが、カテゴリーとして、国民の皆様方の御理解をいただきやすいというか、御理解をいただけるであろうというふうなこともこの背景にはあるんだろうと思います。そういったことで、いずれにしても、これは慎重に進めていく必要があるだろう。
 同時に、医療情報等については、もっともっと厚労省の方でもしっかり話を煮詰めていただきたいというか、しっかりと検討、勉強していただきたいと思っております。
○重徳委員 大臣、メタボ情報は機微な情報も含まれ得るというような趣旨の御答弁だったと思うんですけれども、だから、今回、本当に改正の中に入れちゃっていいのかということなんです。
 腰回りの数字が機微か機微じゃないかは、人にもよるかもしれませんし、受けとめ方にもよるかもしれません。だけれども、そういうことを含む、やはり人によっては、これは知られたくないという非常に機微な情報たり得ると思うんです。だから、預貯金の情報とは全然質も違いますし、社会保障、税の目的ならいいんだというのも、だけれども、社会保障といったって、先ほど松本政務官に聞いたような給付の前提となる資産情報とか、こういうものと、それとは違う病歴に近いようなことというのは、やはり相当質が違うと思うんです。
 このメタボ情報というものは、むしろ、先ほど審議官が言われた、マイナンバーとは別の医療情報のためのシステムの方に入れた方がいいんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○山口国務大臣 先ほどお答えもさせていただいたわけでありますが、医療等の情報の連携、これに関しましては、医療情報の中に、まさに先ほど来御指摘の機微な内容が含まれるというふうなことを踏まえた制度設計というのが恐らく必要なんだろうと思います。
 このために、今、厚生労働省の方でも慎重な検討が行われておるというふうなことを聞いておるわけでございまして、その動向を注視していきたいというふうなことでございます。
○重徳委員 最後に、審議官に確認だけしたいんですが、今言われた医療に関するネットワークというものは、マイナンバーと違って、例えば、任意に参加できるとか、番号の変更ができるとか、病歴も場合によっては消去できるとか、そういうことも含めて、マイナンバーと違うものとしてこれから検討をされると思ってよろしいでしょうか。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
 御案内のとおり、マイナンバー法におきましては、マイナンバーが利用できる行政機関、事業につきましては、行政機関等の法定された行政事務でございます。そういったことで、御案内のとおり、医療保険者は保険事務ということで特定健診情報を取り扱うということになってございます。
 一方、医療機関につきましては、そもそもマイナンバー法の枠組みの外でございますので、私ども、昨年の五月から、三師会等を含めます医療関係者、保険者、有識者等で研究会を開いてございまして、その中で、医療現場等で使います情報をどういった個人番号で管理するのかということを議論してございます。
 その議論におきましては、マイナンバーそのものを用いるということでの議論の方向ではございません。その議論の中で、先ほど先生が御指摘をいただきましたが、例えば、本人の同意のもとで希望する患者が番号を持つ仕組みにすること、あるいは、共有する情報の範囲について患者の選択を認める仕組みにすること、あるいは、番号を変更できる仕組みにするようなこと、そういったことも医療関係者の方から意見をいただいております。そういったことも、昨年の十二月に取りまとめました中間報告の中に入れてございます。
 いずれにしましても、非常に安全性、信頼性といったものが重視される情報でございますので、今後とも関係者と十分に議論をして、御納得いただけるような結論に達していきたいと思っております。
○重徳委員 時間切れですので、ここで終了させていただきます。ありがとうございました。

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閉そく感 突破! しげとく 和彦

しげとく和彦ブログ

 平成28年11月30日~

 (それ以前のブログはこちら)


しげとく和彦語録

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現場に飛び込み、声なき声を聴く!

 政治家の基本は、現地現物。私には親譲りの地盤もお金もありません。現場に飛び込み、皆様一人ひとりの「声なき声」を聴いて回り、理想の地域と国家を実現する「一番身近な政治家」を目指します。

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「増子化」社会をめざす!

 日本の将来の閉塞感は、ひとえに人口減少が原因と言っても過言ではありません。「少子化」なんて先細りの寂しい言葉でなく、誰もが子どもを産み育てたくなる温かい地域社会をめざし、末広がりの「増子化」政策に取り組みます。

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オリンピック効果を地方にも! 

 2020年東京五輪の招致活動に関わった者として、開催決定は喜ばしいですが、首都圏へのインフラ投資ばかりが目立ちます。老若男女が参加する地域スポーツや地域が誇る文化を活性化し、世界に発信・交流するチャンスにしていきます。

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アレルギー対策を!

 食べ物、花粉症、アトピー、ぜんそく・・・。アレルギーは、日本人の国民的疾病とも言えますが、対策はまったく不十分。しげとく議員の初めての立法は、「アレルギー」の文言を日本の法律に初めて位置づけたことでした。

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 「道州制を実現する会」

 平成12年杉浦正健元法務大臣とともに、明治維新以来の47都道府県を10程度の自立した道州に再編しようと、議員連盟「道州制を実現する会」を立ち上げました。各道州が独自戦略で世界各国と通商貿易を行うなど活気ある地方を創造します。

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