○北村委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 民進党の重徳和彦です。
この委員会で水じゃなくてお茶が出されているということが大変話題になっておりましたが、私も愛知県西尾市というお茶どころでございますので、ぜひ御協力をさせていただきたいと思いますので、よろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます。
さて、きょうは農工法改正の審議でございます。優良農地を工業用地などや他産業に変更することによって、農業というのは本当に甚大な影響を受けるのではないか、こういう審議が続いているわけですが、きょうは私は、あえて、本来のテーマとは外れるものの、同じような構図で、我が国の工業化の影響を受けている漁業について少し質問をさせていただきたいと思います。
言うまでもなく、港湾整備とか臨海工業地帯のための埋め立て、こういったことによって、全国の干潟とか藻場とか、内湾の漁業も大変大きな影響を受けているわけでございます。
そこで、まず確認をしたいんですけれども、農地の場合は、どれだけ農地が他の用途に転用されたかは明確にわかるんですけれども、漁業の場合、干潟、藻場などなど、こういった漁業に使われていたエリアがどのぐらい影響を受けているのか、こういったことについて政府は把握をされているのでしょうか、お尋ねいたします。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
今、先生の方からお話ございました干潟や藻場の減少でございますが、高度成長期の沿岸域の埋め立てなどによりまして、昭和二十年から平成十年にかけまして、干潟の面積というのは三・四万ヘクタールということで減少しておりますが、その後、平成十年から平成十九年にかけては〇・一万ヘクタールの減少にとどまっておるところでございます。
また、藻場につきましては、海水温の上昇などの要因により、いそ焼けが進行していることから、平成十年から平成十九年にかけて約二・一万ヘクタール減少しているところでございます。
○重徳委員 そういった数字、きのう、役所との打ち合わせのときには何か把握していないという話でございました。きちっとしたそうしたデータは、その場で通告もさせていただいているわけですから、どういった質問をするかは伝えているわけですから、事務方の方からちゃんと提出していただけるように、こうやって委員会答弁で出てくるわけですから、これはちょっと、ちゃんと事務方の方にも御指示をいただきたいと思います。
こういった、どういったような影響を受けているのか、ここを数字上で把握していくというのがまず基本中の基本であると思いますので、こうした統計をもとに議論をすることは大変重要なことだと思っております。
そして、これも事前の打ち合わせのときに、端的にこの内湾漁業の、これまで数十年の間にどういう変化が生じているかということを示す一つの重要な、そしてはっきりとした数字が出ているのがアサリの漁獲量であるということがございまして、きょうは資料を用意させていただいております。
この資料一をごらんいただきますように、アサリ漁獲推移というのは、一九八五年、およそ三十年前には全国で十三万トン以上とれていたのが、九五年以降は四万トン前後で推移しまして、二〇一五年には二万トンを切っているわけですね。
そして、愛知県、これは私の地元でありますけれども、すなわち三河湾ですね。三河湾でとれるアサリというのがずっと一万から二万トン程度で推移しておりますから、近年、本当に全国一の、これは別に愛知県のアサリがふえたわけじゃなくて、全国が急激に減っているという結果を受けて、日本一のアサリのシェアを占めるに至っているということであります。
しかしながら、この三河湾も、近年、アサリは激減をしておりまして、昨年来、壊滅状態と言ってもいいような状況になっております。本当に深刻な状況でありますので、まず水産庁に、直近の状況、この原因は一体どういうところにあるのか、お尋ねいたします。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
全国でアサリの漁獲量が減少している原因でございますが、幾つかあるわけでございますが、一つは、埋め立て、干拓、あるいは護岸工事などによるアサリの生息地の喪失といったこと。また、二つ目といたしましては、底質の泥化、要するに泥になってしまうといった泥化、あるいは貧酸素水塊や赤潮の発生など環境要因の悪化といったようなことが挙げられると思っております。また、三つ目といたしましては、ナルトビエイあるいはツメタガイなどによる食害といったものが考えられるところでございます。
また、先生の御地元の愛知県でございますが、愛知県の水産試験場の情報によりますれば、最近の愛知県におけるアサリ漁獲量の減少の原因といたしましては、台風やあるいは冬の季節風による波浪の影響によりまして、地先の稚貝の定着、生残個体数が減少している、あるいは、ヒトデ、ツメタガイ等の食害の影響などが考えられる、このような報告を受けているところでございます。
○重徳委員 そして、さらに言うと、近年ではウミグモですね、カイヤドリウミグモ、この点、今長官は言及されなかったと思うんですけれども、これが非常に大きなアサリに対する影響を与えていると言われております。
私は地元ですからいろいろな方の声を聞くわけなんですけれども、本当に、若い漁師さんも、仕事がなくなっちゃっているものですから、アルバイトをしたり、廃業、転職、こういったことを余儀なくされているという状況であります。それから、ゴールデンウイーク中も、例年ですと大変多くの人が潮干狩りに来てにぎわっている地域でありますけれども、これは本当に行えないという状況でありまして、地元経済にも大変な影響を与えるものなんですね。さらに不運なことに、ごく一部の地域で行われる予定だった潮干狩りの地域でも貝毒が発生をして、これが急遽中止に追い込まれる。大変厳しい状況に拍車をかけているということです。
何としてでも資源回復をさせなければならないと思っているわけなんですけれども、今長官が言われたさまざまな要因、そしてカイヤドリウミグモの駆除を含め、大臣の決意を述べていただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 私の住んでいる地域もアサリが全くとれなくなりまして、非常に困っています。
アサリ漁獲量の減少を踏まえまして、農林水産省が中心となって、独立行政法人水産総合研究センター、都道府県の水産試験場等をメンバーとして、平成十五年にアサリ全国協議会を立ち上げ、地域ブロックごとにアサリ漁業の現状に関して情報交換をまず行っているところでございます。
そして、具体的には、アサリ稚貝の流出や食害防止のための網かけ等による着底稚貝の保護、育成、移植放流等の実証事業の推進、次にアサリの生育の場として重要な役割を担っている干潟の整備に対する支援、アサリの生育を阻害するカイヤドリウミグモの除去などの取り組みを支援しているところでございます。
今後とも、資源量回復に向けまして、国、県、研究機関が緊密に連携しつつ、これらの事業をさらに進めてまいりたいというように考えるところでございます。
○重徳委員 干潟という生息の場、これを保全あるいは回復、復旧させていくという言葉もありました。
きょうのテーマとしてそういったことの重要性ももちろん欠かせないわけでありますが、一つ、最近、海がおかしいぞということに対してちょっと指摘をしたいことがあるんです。
その前に、一つ、今アサリの被害のことを申し上げましたけれども、最近は全国でも似たような状況かもしれませんが、伊勢湾とか三河湾の状況を聞くと、イカナゴとかノリの不漁、減産ということもあるんですよね。これはどうなんでしょうか。この要因をどう分析されておられるんでしょうか。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘ございました伊勢湾あるいは三河湾におけますイカナゴでございますが、これにつきまして、毎年、愛知県と三重県が一月、二月に稚魚の発生量を調査しておるところでございますが、平成二十八年そして二十九年におきまして、稚魚がほとんど確認できなかったということから、両県の漁業者の協議会におきまして禁漁を決定したということを承知しておるところでございます。
この不漁の原因でございますが、国立研究開発法人水産研究・教育機構によりますれば、イカナゴにつきましては、夏に砂に潜り、夏に眠るということで夏眠と呼びますが、夏眠を行う習性がございますが、平成二十八年、二十九年におきましては、前年の夏の高水温、二十五度C以上というようなことによりまして、夏眠中のイカナゴの多くが死滅したということが考えられるところでございます。
また、ノリにつきましては二つほどありまして、一つは、成長期であります冬場の水温が上昇したことによりまして、養殖に適した期間が短縮されたということに加えまして、植物プランクトンの発生によりまして栄養塩の不足が生じたことが生産減少の主な要因ではないかと考えられているところでございます。
○重徳委員 イカナゴについては水温が上がったこと、それからノリについてはこれも冬場の水温そして植物プランクトンがふえたということを要因と分析をされているようですが、私が聞いているところでは二つあると言えましょうか。
まず一つは貧酸素ですね。酸素濃度が低くなってしまっているということがあるのではないかという声を聞いております。これはちょっと対策とその結果というものがどう結びついているのかということが十分明らかじゃない問題でありまして、いろいろな研究報告があるわけなんですけれども、一つ言われているのが、もともと、貧酸素ということの対策として、国や県では水質総量規制に基づいて下水道からの流入負荷削減というものを行う、そうすると、栄養塩類というんですかね、窒素とか燐とかそういったものが減るということなんですが、それによって貧酸素を改善しようということだったんですかね。なんですが、どうもそれは余り役に立っていないんじゃないかというようなことが言われています。
それからもう一つは、そのように流入負荷を削減するということによって、今言った燐や窒素といった栄養塩類が減るわけで、そうすると植物プランクトンの餌が減る、つまり植物プランクトンが減るということが起こっているんじゃないかというような指摘があるわけであります。
ですから、これは、私なんかは本当に、私自身こそ素人なのでわからない部分が多いんですけれども、そもそも、こういった流入負荷の規制をする、水質総量の規制をするといったことによって海に流れ込む栄養塩類の量に影響が出るわけですが、これと漁業生産との関係というのは一体どうなんだというところをいま一度この場ではっきりさせていただけないかというふうに思うわけであります。
つまり、その規制がちょっとおかしいのであれば、もう少しそこのコントロールを、海域によって、あるいは季節、時期によって変えていくとか、そういった見直しが必要なのではないか、こういった声があるのですが、この点、大臣、いかが受けとめておられるでしょうか。
○山本(有)国務大臣 栄養塩の減少対策でございますが、この栄養塩の重要性に着目いたしまして、平成二十五年度から、赤潮・貧酸素水塊対策推進事業、こういうものを打ち立てまして、栄養塩と漁業資源、特にノリとの関係につきまして調査を今進めてきたところでございます。
そして、本年四月に閣議決定されました水産基本計画におきましても、漁場の生産力の回復に向けまして、栄養塩と漁場生産力の関係の科学的調査の実施、また、海域の漁業、養殖業の状況を踏まえた適切な栄養塩の管理に関する検討、こうしたことをするという政府のとるべき方向性を示したところでございまして、農林水産省といたしましては、この方向に沿って、アサリなどの二枚貝を含めた栄養塩対策をこれから取り組んでいこうというように考えるところでございます。
○重徳委員 つまり、ここ数年で対策を講じつつ調査している段階だということでよろしいですかね。もちろん、わかっていないことがあるわけですから、調査は積極的にやっていただきたいと思います。今のが農水省あるいは水産庁としての御見解だというふうに受けとめます。
その一方で、水質総量規制というのは、水質汚濁防止法に基づいて環境省が所管しているんですね。環境省の規制なんです。環境省としては、水質総量規制はどういう目的でやっているんでしょうか。
○早水政府参考人 お答えいたします。
水質総量削減制度でございますが、東京湾や伊勢湾などの、人口及び産業が集中し、通常の排水基準による事業場ごとの濃度規制だけでは環境基準の確保が困難であるような広域的な閉鎖性海域において、工場、事業場のみならず、生活排水等も含めた全ての汚濁発生源からの汚濁負荷量を総合的、計画的に削減するということで水質の改善を図ることを目的としたものでございます。
○重徳委員 そして、その目的に沿って水質総量規制をやっているわけですが、その効果はどんなものでしょうか。
○早水政府参考人 お答えいたします。
水質総量削減につきましては、東京湾、それから伊勢湾及び瀬戸内海を対象に、昭和五十四年から五年ごと七次にわたりまして、国が定める総量削減基本方針及び関係都府県が定める総量削減計画に基づき実施をしてきておりまして、着実に、対象海域に流入する汚濁負荷量を削減してきました。
それで、一次から四次までは有機物の指標であるCODのみを対象としておりましたけれども、赤潮、貧酸素水塊といった富栄養化に伴う問題に対応するために、第五次からは栄養塩類である窒素、燐も対象に追加したということでございます。
その効果でございますが、水域によって異なりますけれども、例えば三河湾を含む伊勢湾で見ますと、まず汚濁負荷量につきましては、直近のデータがあります平成二十六年度と比較しますと、CODでは、総量削減制度を導入した昭和五十四年度と比べて平成二十六年度までに五四%、それから窒素では、同様に総量削減制度を導入した平成十一年度と比べて二三%、燐では四六%、削減されてまいりました。
また、環境基準の達成率でございますけれども、CODにつきましてはおおむね横ばいではありますけれども、窒素、燐については改善しているということでございます。
○重徳委員 そこでお尋ねしますが、農水省、水産庁としては、この栄養塩と言われる窒素、燐の状況と漁業資源との関係というのは調査をやります、やっているところですということなんですが、環境省としては、漁業資源という言い方よりは自然保護の観点からこの関係をどう捉えておられるんでしょうか。
○早水政府参考人 お答えいたします。
なかなか難しい問題でございまして、先ほど申し上げましたように、富栄養化ということでいいますと、栄養塩類である窒素、燐が増加すると富栄養化します。プランクトンが増殖して水質が悪化します。これによって、赤潮が発生したり、漁業被害が生じたり、また、夏場を中心に底層、底の方の水が貧酸素化して貧酸素水塊が発生する、底質の悪化を招くなどしております。これが、要するに、植物プランクトンが大量に増殖して、下に沈んで堆積すると、分解して酸素が減るので貧酸素水塊が発生して、これが漁業被害につながるということでございます。
このため、貧酸素水塊が発生しているような海域では、流入負荷の削減が対策の一つではないかというふうに考えられるわけでございます。
また一方、御指摘のように、栄養塩類が規制で低下したということで、漁業生産の低下につながっているという指摘もなされているのは承知しておりますけれども、例えばですが、伊勢湾で、燐酸態燐などの栄養塩類が低下することと漁業生産量との間に明確な関連性というのはまだ確認されておらないので、やはり、先ほど水産庁さんからもお話がありましたけれども、農林水産省さんからもお話がありましたけれども、科学的知見の蓄積が必要と認識をしております。
また、この栄養塩類が増加すると、今度、赤潮が増加して、あるいは貧酸素水塊が発生することにつながるというおそれがありますので、そのあたりは慎重に対応を検討しなきゃいけないというふうに考えております。
また、水産資源に影響を及ぼす要因として、ほかに、やはり藻場、干潟が減少するとか、あるいは、先ほども指摘がありました、気候変動に伴って水温が上昇しているとか、あるいは水産資源の管理方法とか、こういったほかの要因も指摘されておりますので、こういったものも含めた解析も必要ではないかと考えております。
○重徳委員 わかりました。
ところで、兵庫県の播磨灘、瀬戸内の海ということになるんでしょうか、ここで下水道の管理運転というものが現に行われているという話がございます。
これは国交省所管だと思うんですけれども、漁業者とか自治体の水産関連部門の要望を踏まえ、また、そういった部署とも連携をしながら進めておられるんでしょうか。
○森岡政府参考人 下水道の取り組みについてお答えをいたします。
下水処理におきましては、放流先の状況等に応じ、有機物や窒素、燐といった栄養塩類の除去を行っておりますが、一般的に、その放流水質は年間を通じた基準というふうになっております。
一方、先生御指摘のように、近年、漁業者の方々等から、特に冬場において海域の栄養塩類が不足しているという声が上がっている地域があるということは承知をしております。
こういった地域では、水質環境基準の達成、維持などを前提に、漁業関係者や関係機関と連携を図りながら、例えば、ノリの成長期である冬場に処理水の栄養塩類の濃度を上げるといった弾力的な管理運転の取り組みを行っているところであります。
平成二十九年三月までに、このような下水処理場の弾力的な管理運転を、御指摘いただきました播磨灘の、例えば兵庫県明石市二見浄化センターを初め、瀬戸内海、有明海沿岸等の三十三カ所の下水処理場で試行、実施をしております。
○重徳委員 ありがとうございます。
その結果はどうなんでしょうか。もしわかることがあれば、教えてください。
○佐藤(一)政府参考人 お答えいたします。
平成二十八年度の兵庫県立農林水産技術総合センターの報告によりますると、明石市二見浄化センターの下水処理水を冬季に管理運転し、処理水中の栄養塩濃度を上昇させたところ、沿岸部のノリ養殖場におきましても栄養塩の上昇が確認されたとのことでございます。
○重徳委員 そういうデータがあるということですね。
まだ始めたばかりの取り組みだから、実際の漁業資源への影響というのは今後見ていかなきゃいけないということですかね、そういうことですね。何かあれば。
○佐藤(一)政府参考人 一般論といたしましては、貧栄養の状態にあれば、栄養塩の上昇というものが漁業資源に好ましい影響を与えるというふうに考えられますが、どのような状態でどのように影響するかについて、具体的な関係については、やはりしっかりとこれから解明に努めていく必要があるのではないか、このように考えているところでございます。
○重徳委員 漁業者の皆さんは、本当に、実際はどうなんだろうということを皆さんいろいろと思い描いておられますので、ぜひしっかりと解明していただきたいと思います。
ところで、これはどこの湾でもそうなんでしょうか、三河湾は、アサリの話は先ほどしましたが、ほかにも底生生物というんですか、底の方に住んでいる魚ですね、カレイとかクルマエビとか、メバル、アイナメに至るまで、どうも、漁業者の直観的な感覚も含めての話だと思いますが、やはり減少しているというんですね。
そこで、最近、資料の二にある、環境省が新たな基準を設定されたということでございます。
底層溶存酸素量の環境基準を去年の三月に設定されたということですが、この趣旨、そして検討に当たっては、環境省のものですけれども、水産庁とは十分連携をとりながら検討されたんでしょうか。
○早水政府参考人 お答えいたします。
閉鎖性水域におけます水質改善はいまだ十分ではなく、水域によっては貧酸素水塊の発生などによりまして水生生物の生息や水利用などに障害が生じている状況にありますことから、底層溶存酸素量、底の方の水にどれだけ酸素が溶けているかということですけれども、これに着目いたしまして、環境基準への追加を検討してきたところでございます。
その結果、水域の底層に生息する魚介類などの水生生物やその餌生物が生存して、また再生産が適切に行われるような場を保全、再生するということを目的として、平成二十八年三月にこの底層溶存酸素量を環境基準に設定したということでございます。
この設定に当たりましては、その検討過程におきまして、水産庁さんともよく相談をさせていただくとともに、環境基準について検討いただく中央環境審議会の専門委員会に国立研究開発法人水産研究・教育機構の研究者の方にも委員として御参画をいただいたところでございます。
また、この環境基準は、保全すべき水生生物の、きょうの表にもありますように、貧酸素への耐性などに応じて三段階の基準値がありまして、今後、東京湾などから順次、どの範囲の水域にどの基準値を適用するかというのを定める類型指定という作業を行う予定でございまして、その際には、地域における水産関係者や水産の専門家からも御意見をいただきながら検討を進めていきたいと考えております。
○重徳委員 そろそろ時間ですが、最後にお尋ねしたいんですが、今の環境省の定めた底層溶存酸素量、この基準の適用、今後のことであるという話ではございますが、今後どういう方向で取り組んでいかれるのでしょうか。
要するに、きょうの話のテーマで、さらに厳しく規制をしていくという方向にならざるを得ないようなふうに受けとめられるんですが、そういう方向なんでしょうか。そして、それで本当にいいんでしょうか。これから調査をいろいろとやられるということですから、そういう科学的知見を集めつつここは弾力的に対応をとっていくべきではないかという私の意見も踏まえて御答弁いただけるとありがたいです。
○早水政府参考人 お答えいたします。
底層溶存酸素量の改善のための対策につきましては、環境基準を定めるときの中央環境審議会の答申におきまして、関係者が連携、協議し、従来の水質汚濁防止対策だけでなく、藻場、干潟の造成、環境配慮型港湾構造物の整備、深掘り跡の埋め戻しなどのさまざまな対策を組み合わせて、将来のあるべき姿を見据えつつ、中長期的な対策も視野に入れた総合的な水環境保全対策を進めていくことが必要とされております。
この答申を踏まえまして、さまざまな対策を総合的に進めることによりまして、底層溶存酸素量の改善に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。また、並行して科学的知見の充実にも努めていきたいと思っております。
○重徳委員 わかりました。ありがとうございます。
済みません、農工法の審議の時間でありましたけれども、冒頭申し上げましたように、やはり、日本の産業構造の変化に伴って、農業のみならず、漁業も大変な影響を受けてきております。漁業資源の回復という観点も、この委員会の委員の皆様なら重々そこは御承知だと思いますけれども、ぜひ気にかけながら、日本の農林水産業を発展させていければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。