H25.11.6 厚生労働委員会
「年金の世代間格差について」==============質疑を続行いたします。重徳和彦君。
○重徳委員 どうもありがとうございます。日本維新の会の重徳和彦でございます。
早速質問に入らせていただきますが、まず、今回の社会保障のプログラム法案の前提といたしまして、昨年成立いたしました、民自公で成立させました社会保障制度改革推進法との関係に基づいて質問をさせていただきたいと思います。
というのは、今回のこのプログラム法案ですが、やはり、何度か読んでいるんですが、正直、何のための法案かわからない部分が非常にあります。正直、よくわからない。この部分を、きょうは特に年金につきまして、年金をテーマに、改めて確認をさせていただきながら、この法案の問題点につきまして提起をさせていただきたいと思います。
まず、昨年成立した社会保障制度改革推進法第四条には「必要な法制上の措置については、この法律の施行後一年以内に、」「国民会議における審議の結果等を踏まえて講ずるものとする。」とありまして、今回のプログラム法案の中でも、第一条に、社会保障制度改革推進法第四条に基づく法制上の措置としてこの法案を策定したんだというような趣旨が書かれております。
ですが、このプログラム法案、やはり論点の羅列にすぎないという部分が非常にありまして、本来期待された法制上の措置がなされていないんじゃないか。当時の法制上の措置、去年の法律ができたときの法制上の措置とは一体どういうことを想定されていたのか、教えていただきたいと思います。
○田村国務大臣 委員、これは、要するに期限があったわけでありまして、一年間の中で法制上の措置をする、これは三党の中でそのような合意であったわけでありますね。
常識で考えれば、年金も医療も介護も子育ても、もちろん、その中で、子育てとそれから年金に関しては、実は、もうそのとき法案が出ておりまして、一定の制度改正というのが決まっておったわけでありまして、主に言うと、医療と介護でありますけれども、種々にわたる非常に大きな改正でありますね、一体改革でありますから。それを一年以内で全てできるというわけはないわけでありまして、その道筋をある程度示すというのが、私は、民主党も含めて、普通に物理的に考えて、大体、合意のあるところの判断であったのではないか。
だから、このような形でこういう改革をしますよというのをある程度期限を示しながら示していくといいますか、法律に書いていくというような形が法制上の措置という共通認識を持っていたのではないのかなというふうに思っております。
○重徳委員 今大臣が言われた、その期限を示す、今回の法案を見ますと、何年の国会に法案の提出を目指すこととするという意味での期限は確かにありますけれども、ほかのいろいろな制度面での期限、スケジュール感、あるいは、先ほど、道筋を示すとおっしゃいましたけれども、お言葉ですが、この法案を見て、道筋がちゃんと示されているなというふうに、納得感がなかなかありません。
去年の社会保障制度改革推進法の第五条におきましては、公的年金制度について、第一号「今後の公的年金制度については、財政の現況及び見通し等を踏まえ、」「国民会議において検討し、結論を得ること。」とあります。
この年金制度につきまして、まず総論的にお聞きしますが、国民会議で何が検討されて、どんな結論を得て今回の法案に至ったのか、具体的に教えてください。
○田村国務大臣 年金の中で、とにかく、現行の年金制度に対しての問題点等々も踏まえて、いろいろな御意見をいただきました。
一つは、デフレ下のマクロ経済スライド、これが今の制度の中ではかかっておりません。すると、基本的には、マクロ経済スライドという制度があるから年金の持続性というものが担保されているわけでありますけれども、デフレ下であっても、本来はかけなければ、その制度設計上は、数理計算上は成り立たないというところがございますので、そこに関してどうするんだというような問題点、これを御指摘いただきました。
それから、民主党の例の年金制度がありますよね、最低保障年金と所得比例年金部分の年金制度がありますけれども、この年金制度であったとしても、今の我々の年金制度であったとしても、少なくとも、非正規雇用の言うならば被用者の方々は、これは本来、厚生年金の方に、被用者年金の方にやはり吸収していく必要があるのではないか。でなければ、民主党の制度も成り立ちませんし、我々の制度も、どうしても漏れてくる方々がおられるわけでありますから、そこの適用拡大、厚生年金の適用拡大、この点も御指摘をいただいております。
それから、高所得者に対しての例えば課税、これは年金高所得者であります、課税の強化。これは、クローバックというようなお考え方も一つあるのかもわかりませんけれども、年金でやるのではなくて、そもそも所得ですから、これは税として取るというやり方、こういうことも含めて、これは議論の必要があるよねということでありました。
それから、もう一点は、支給開始年齢。これに対しても、平均寿命が延びる中において、支給開始年齢というものも議論をする必要があるのではないかというような御指摘をいただいております。
○重徳委員 今おっしゃった点につきまして、後ほど詳細を議論させていただきたいと思いますが、その前に、これは国民的に頭に残る言葉として、二〇〇四年の百年安心の年金というのがたしかあったはずだなと。百年安心と言っているのに、まだ十年たっていないのに、何でまた改革が必要になっちゃっているんだろうというようなことを、多くの国民的な感覚としてやはりあると思うんです。
今回のプログラム法案に並んでいる論点、あえて解決、道筋とは申し上げませんが、論点につきましては、二〇〇四年の時点で、百年安心と言っていた十年ほど前の段階で想定されていたことなのか、あるいは、想定外のことが発生して、今のような、さまざま大臣が今おっしゃった、ただいま四点についておっしゃいましたけれども、そういったことが新たに発生したのか、このあたり、教えてください。
○田村国務大臣 百年安心、正確にそうやって言ったかどうかは記憶が定かではないんですが、そういうようなことが言われておったような記憶はあります。
これは、百年安心というと、百年たったらもう終わっちゃうんじゃないか、つまり、百年後は年金制度が破綻するんじゃないかと逆に言われる方もおられまして、そこを詳しくお話ししますと、要は、五年ごとに百年先の数理計算での均衡をしていく制度でありますから、五年ごとに百年先の、要するに将来像に向かっての計算を均衡化させるということでありますから、これは延々と続いていくというのがこの制度であります。
当時と比べて、想定していなかったことが起こったかどうかという話でありますが、一つは、やはり当時よりも非正規雇用の方々がふえておりますから、本来、国民年金というよりかは厚生年金の方が適しているのではないかという方々がふえてきておるということは一つであります。
それから、当時もデフレはございましたけれども、こんなにデフレが続くということを前提にしていなかった。そういう意味からすれば、マクロ経済スライドの発令をもっと早くできたはずにもかかわらず、発動できていないということは想定外であったのかもわかりません。
それから、高所得者の場合は、これは一つの考え方でありますから、これは想定外、想定内という問題ではないと思います。
それから、支給開始年齢に関しましても、一定程度、今、平均寿命が延びてきております。ただ、当時の想定よりかは平均寿命の延び方が若干速いというところもありますので、ここは想定外とまでは言いませんけれども、当然のごとく、新たな局面の中で、みんなが働けるような環境がつくれるのならば、例えば六十七とか六十八だとか、そこまで行くのであるならば、それからでも年金の支給開始年齢を引き上げてもいいのではないかというような御議論もある、決まったわけではありません、そういう御議論もあるということは確かでありまして、その場合には、今六十五歳でもらえる年金水準、給付水準よりも、六十八歳の方が多くなるということを前提にそういう御議論をいただいておるということであります。
○重徳委員 今、総論的な観点からお尋ねをいたしました。
私は、まだ新人議員ですので、大臣や副大臣、政務官のような、ベテランの議員さんに及びもつきませんが、しかし、一つだけ、地べたをはって、地元を歩き回る、走り回るということだけは誰にも負けないぐらいやっているつもりなんですが、そういう中で、先日、地元で、ある女子高生が、あっ、珍しい、議員という職業の人間に会った、せっかくだからちょっと聞いてみたいことがある、私たちは、これから社会に出て保険料を払っていくことになるんでしょうけれども、でも、その結果として、私たちが年をとっても年金なんてもらえないんですよねということを言うわけですよ。
これは、どなたに聞いたのかわかりません。学校の先生から聞いたのか、親に聞いたのかわかりませんけれども、本当に、これから社会に出る世代が全く希望を持てないというか、持っちゃいないんですね。
その彼女は、後ほど議論しますが、積立方式、賦課方式みたいなことまで知っていましたよ。将来、自分たちが高齢者になったときに、自分たちを支えてくれる子供たちはもっと少ないんだ、だからもらえないんだよねということまで正しく理解しているわけですね。だから、こういうことにきちんと応えていくのが、今回の本来の社会保障プログラム法案であるべきだ。その場合は、プログラム法案ではなくて、具体的な法案だと思うんですけれども。
その際に、きょう議論申し上げたいのは、世代間格差と言われる問題であります。これは極めて深刻な状況に今至っていると認識をしております。
そういう目で今回の社会保障国民会議の報告書を読んでみたんです。資料はお配りしておりませんが、お持ちの方はごらんいただきたいんですが、例えば報告書の六ページから七ページには、世代間の損得論についてなんというふうに書いてありまして、若干省略しながら読みますが、年金制度は、子供が親を扶養するという私的扶養を社会化したものであることに十分留意が必要である、例えば、年金制度が十分に成熟する以前の世代は、親の扶養もしながらみずからの保険料を納めてきたのであり、公的年金の給付と負担だけを見て損得論をするのは不適切であるということを言っております。
また、四十五ページには、「残念ながら、世間に広まっている情報だけではなく、公的に行われている年金制度の説明や年金教育の現場においてさえも、給付と負担の倍率のみに着目して、これが何倍だから払い損だとか、払った以上にもらえるとか、」そんなような「年金制度の本質を考慮しない情報引用が散見され、世代間の連帯の構築の妨げとなっている。」なんということを書かれているわけです。
私は、これを読みまして、一種の例えばノスタルジーみたいな感じで、昔はよかった、みんな貧しかったけれども頑張っていたよねとか、あるいは、今と違って食べるものがなかったんだよとか、行きたくたって高校、大学なんて行かせてもらえなかったんだとか、その手の昔話として、昔の方の苦労だとか、これまで積み重ねてきた、積み上げてこられた社会への貢献というものに敬意を表するという意味では、それはもちろん全く否定されることではありません。しかし、今の女子高生の話じゃないですけれども、だから、あなたたちはいい時代なんだから、年金をもらえなくたってしようがないじゃないかとか、そんなことを言われても、ちょっとこれは納得感がないなというふうに思っております。そう思いながら読ませていただいております。
まして、政府としての責任を考えれば、確かにいろいろな予見不能なこともあったかもしれませんけれども、それにしても、そういう事象によるいろいろな見直しというものがこれまで十分なされてこなかったことについて、個人個人の、昔は扶養をしてきたんだよとか、親に仕送りを送っていたんだよとか、そういうレベルの個人の話だとか社会のこととか、そういうところに責任を、これは国民会議の報告書ですから、どなたの御意見なのかよくわかりませんが、そういった説明の仕方なんというのは、これはなかなか政府としてはあってはならないことなんじゃないかな。
やはり責任を持って、これからの世代にも安心な社会保障制度あるいは年金制度をつくっていただきたい、こういうふうに思うわけですが、今、るる申し上げました世代間の損得論、世代間格差につきまして、大臣の見解を御答弁願います。
○田村国務大臣 今委員、例えば、年金がなければ、親の面倒を子供が見てきた時代がある、それは昔のノスタルジーだからという話もありましたが、一方で、誰かの負担を誰かが見なきゃいけないというのが世の中であって、それは、どこかにお金がかかれば、誰かがそれを負担しなきゃ世の中は回っていかない。これはもうごくごく当たり前な話であります。
その中で、そうはいっても、確かにいろいろなお金がかかる世代、それは、日本の国をここまで豊かにしてくれた世代でありますから、感謝をする世代でもあります。その方々の数が多くなって、支える側が少なくなってくる。当然のごとく、一人当たりの負担はふえるわけでありますね。
ただ、一方で、それが余りふえ過ぎると、これはもう負担に押し潰されてしまうからということで、では、先ほどおっしゃられた百年安心年金の話に戻りますが、これはちょうど私が厚生労働大臣政務官のころの話でございますので覚えておるわけでありますけれども、それまでは保険料が永遠に上がっていく制度だったんです。それを、このままでいったら次の世代の負担がふえていくから、一八・三%、これを、働く側とそれから経営者の方で半々、企業とで半々というところで抑えたんですね。そのかわりに、もらう方の給付を抑える。給付が下がっていくのがマクロ経済スライドでありますから、ここで調整する。
実は、もういろいろなところでこういうような世代間のいろいろな不公平というものを是正しようという動きはやってきておりますが、もちろん、それでも今、御年配の方々の方がもらい得だというようなことを言われる、そういう方々がおられますけれども、そこはそこで、やはり数が多いわけでありますから、そこは一定程度、我々は覚悟しなければならないところだと思います。
一方、受益が少なかったんですね、今まで若い世代が。そこで、それに対して、しっかりと子育て対策ということも含めて、少子化対策ということも含めて、今回、消費税を引き上げる中において七千億円、それから、三千億円はどこかで都合をつけて、我々努力して、総計一兆円を何とか子育ての方に使いたいということで、受益、受ける側も、若い世代でもしっかりと確保できるような形ということで、何とか御理解をいただくべく努力を今させていただいておる状況でございます。
○重徳委員 研究者の中には、これは財政的幼児虐待だなんということをおっしゃる方もいるぐらいに、今の若い人たちは、もちろん、政治意識が低く投票率が低いとか、いろいろなそういうこともあるのかもしれませんけれども、やはり、発言力はなかなかないわ、財政的な負担とか、こういう格差にずっと悩まされて、しかも若いころから夢が持てない、こういう状況にあるわけですから、この世代間の問題というのは、厳しい現実は正面から受けとめなければならない、こういうことはもうみんなわかっています。
だけれども、昔の人はもっとあんたたちよりも頑張っていたんだよとか余り言っても、これは詮なきことかなと思っておりますので、むしろ、この世代間の格差というものを、苦しいけれどもどうやって乗り越えていくかという、前に転じることを議論していかなければ、私たちは責任、役割を果たしたことにならないと思っております。
その意味で、先ほど山井委員が、要支援切りというのかわかりませんが、そういう、要支援を市町村のサービスに移行させることについて御意見を述べられておりましたけれども、私、ちょっと違う切り口からも、市町村に移管するということにつきまして、どういう考えでこの移行を決断されようとしているのか、これについて問うてみたいと思うんです。
いわば、昔は、今のお年寄りの人たちはみんな親を扶養していたんだよ、そういう部分もあわせ持って負担と見るとか、そういう考え方をとるのであれば、今度は、高齢者の方々の給付を仮に削減していくんだとすれば、その部分は若い世代が、ボランティアじゃないですね、この場合はもう強制的に義務づけをして、年配の方々のケアをする、介護をする。
こういうことを、今までは、地域がみたいなことを言っていました、家族がと言っていました。だけれども、もう家族も地域も、そんなふうにうまく温かくいくような状況ではありません。
ですので、そういった人的サービスについては、役所がやるばかりとかお金を出してばかりじゃなくて、そういった地域ぐるみの、義務づけをするぐらいの、若い世代が高齢世代に対して貢献をしていく、これをシステム化する、そのかわり、給付は減らしてもしようがないじゃないか、こういう形での世代間格差の狭め方もあるんじゃないか、財政的な格差の狭め方もあるのではないかということも思ったりしております。
要は、国が今まで持っていた、抱えていた財源負担の必要なものを市町村に移管したら軽くなるんだよということなのでしょうか。軽くなるんだよということだとすれば、それは代替的に誰かがやらなきゃいけない。それが先ほどの山井委員のあの図にも指摘があったような、ボランティアとかNPOが恐らく安くやってくれる、そういうイメージだと思うんですが、これは両面あるんですね。それでもうなし崩し的に政府が手を引いちゃうという意味だとすれば、それは本当に困ったことになる。
だけれども、財政的なものはもうしようがない、高齢者も我慢しなきゃいけない、だけれども、その分、若い人たちがちゃんとサポートするから、こういうことをシステム、制度の中に打ち込んでいくとか、何かそのあたりは、市町村に移行することによって、どのような考えをお持ちなのでしょうか。
○原(勝)政府参考人 地域支援事業の移行の関係で御意見をいただきました。
私どもは、ひとり暮らし高齢者等が急速に増加して、生活支援ニーズの高まりが見込まれる中で、配食や見守り等の多様な生活支援サービスが地域で提供される体制の構築が大変重要ではないかと考えております。
そのためには、住民自身が運営する体操の集いの地域展開や、ボランティア、NPO等による高齢者の見守りや外出支援など、現役世代も地域の活動に積極的に参加をしつつ、市町村が中心となった住民主体の地域づくりの取り組みを通じて、介護予防や生活支援サービスの充実を図っていくことが必要ではないかと考えております。
現役世代の地域への貢献でございますけれども、みずからの便益のためという形には必ずしもならないかもしれませんが、このような取り組みを通じて、現役世代と高齢者がともに地域に貢献し、支援が必要な者を地域で支え合う仕組みの構築につながることを実感できることは、意義深いものであると考えます。
また、こうした地域における支え合い、すなわち自助や互助の取り組みが進めば、ひいては、介護保険の給付費の伸びが抑制され、そして、四十歳以上の二号被保険者の保険料も含めた介護保険料負担の軽減につながるものというふうに考えているところでございます。
議員御指摘の、若い方にボランティアを義務づけるというようなシステムを考えたらどうだ、一つの御意見だと思いますけれども、実際、若い方に義務づけることに対する理解が得られるかとか、あるいは、障害を持った方なんかが、それは当然難しいということかもしれませんけれども、その辺とのバランスといいましょうか、給付との関係で、どこまでそういったことを義務づけられるかというような問題も、ちょっと幾つか慎重に考えなきゃいけない課題もあろうかと考えております。
○重徳委員 今までのままの仕組みではもうだめだと思うんですね。自助、共助、それは期待したいですけれども、それで期待できる部分もあるかもしれない。だけれども、やはりきちんとした制度を持って、世代間の格差を何とか縮めていかなければならない。
ですから、高齢者の受益は減る、だけれども、それによって若い方々にとってメリットがあるのであれば、肉体労働的な部分も義務づけというか、そういうのが義務なんだということを納得してもらうとか、何かちょっと発想を変えないと、本当にこれはえらいことになると思っています。
世代間格差については、世代会計という概念というか試算がありまして、これはいろいろな方が試算されているので数字はさまざまなんですけれども、要は、生涯を通じた受益と負担、これをいろいろなものをミックスして計算して、プラスマイナスがどれだけか、こういうことなんですが、六十代以上の方は、ある試算によると、四千万円のプラスだ。五十代になると九百九十万円、一千万円ぐらいですね。将来世代はマイナスの八千三百万。
つまり、将来世代と六十代以上が一億円以上、所得というのかわかりませんが、そういう財政的なものの格差がある、こういうことなわけでありまして、年間所得が、賃金が二億円もらっても、実際には一億円ももらったことにならない、こういう見方もできるわけで、この辺の格差は、数字上、外国と比べて図抜けて日本は大きなものがあります。
これは、どうしても我々は、将来、数十年後のことまで、百年後安心なんといって五年ごとに実際には見直すのと同じように、見通せないわけですね。こういう事実は、やはりどんどん表に出していかなきゃいけないと思います。そうでなければ、もうびっくりするような、目玉が飛び出るような、そういう恐ろしい状況に今あるんだということは包み隠さず出していかなければ、若い者は投票率が低いから政治力もないし、だからお年寄り寄りの施策ばかりになっちゃうんだよねとか、そういう納得の仕方というのは、平時だったらいいですけれども、もういいかげんにしてもらいたい、こういう思いであります。
少し個別の話をいたしますと、例えば、この問題も、どうしたらいいのかという私の結論めいたものがあるわけではないですが、共働きと専業主婦の世帯によって、いわゆる第三号被保険者の制度の問題というのがありますね。これは、当然、専業主婦の方が簡単に言えば優遇されているということなんですが、若い世代であるほど共働きは多いものですから、結果的に、共働きが冷遇されているということは、全般的には世代間格差を助長していることになるということだと思います。
ちょっと調べてみますと、もともと、一九八五年の年金の今の改正以前には、数字にして七百五十万人ぐらいの専業主婦の方々が、これは全体の七割ぐらいの方だそうですが、国民年金に任意加入をしていた。主婦の方は収入がないですから、世帯主がいわば二人分払っていたということなんですね。だから、七割そういう主婦の方がいたので、残り三割の方にも加入してもらえば今のようなことにはならなかったのかなということなんですが、この一九八五年に専業主婦の保険料を全部免除するというふうな、言ってみれば大盤振る舞いですよね、こういうことに至った経緯、理由を教えてください。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
御案内のように、三号被保険者制度は一九八五年の年金改正で導入したものでございますが、それ以前の厚生年金制度というのは、基本的には世帯単位という考え方に立っておりまして、家計の主たる生計維持者の方にいわば夫婦二人分の年金をお支払いする、そういう制度設計にしておりましたので、いわば専業主婦の方は年金制度には加入しない、被保険者にもなりませんし、年金の受給権もないという構成になっておりました。
この点に関しまして、当時の議論では、サラリーマン世帯の専業主婦の方は、そういう意味でいいますと年金の受給権がないので、例えば、離婚をした場合でありますとかあるいは障害になった場合に、年金保障がないという問題がございました。先生御指摘のように、国民年金にも任意加入というような制度がありまして、入っておられる方はいたわけでございますけれども、任意加入ということで、年金権のない方がいらっしゃった。
当時の議論は、やはりこういった専業主婦の方にもきちんと年金の受給権、年金権を保障する制度にするというのが当時の大きな議論でございまして、その考え方に立って、きちんと被保険者として位置づけをする、そして年金権を確立させるということで、強制加入の手続をとった。その上で、基礎年金制度の導入に伴いまして、生活の基礎的な部分につきましては、基礎年金という形で年金を保障するという形になったところでございます。
御案内のように、今お話のあった任意加入のことなんですが、任意加入をしますと、結局、厚生年金の方は、主たる生計維持者に二人分の年金が出ていることになります。もちろん、保険料を払って、それに対する給付ということになるわけですが、一種、非常に大きな給付が出るということになって、任意加入できる方というのは、それなりに所得の高い方だということになりますので、その意味での、いわば、過剰給付という言い方はちょっと語弊があるかもしれませんが、公平性を欠くということで、当時の厚生年金の定額部分といいますか、当時、二階建てであったのが定額部分があったんですが、その部分と奥様の加給年金を再構成して、いわば夫に対して出されていた二人分の年金を振り分けるという形で今の基礎年金に再編をして、それぞれにお認めをする、こういう制度設計に改めたということでございます。
○重徳委員 過去の経緯のことですから、それを今もう一回戻すというわけには、なかなか簡単な話ではないと思いますが、それにしても、この第三号被保険者の制度というのは、いろいろと、これでいいのかということを常々言われている点だと思います。
実際、サラリーマンから自営業に移ったときにその手続を怠ったものだから、専業主婦の方が年金をもらえなくなってしまう、割を食う形になってしまうなんという問題も実際に発生をいたしまして、これは数年前でしたか、そういうことがかなり話題になったときがありました。
厚生労働省でこの制度の見直しに取り組んでいるとか取り組んだとかいうような話も聞いていますが、それはどうなったんでしょうか。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
三号被保険者の問題は、今先生もお話がありましたように、実は、これはお立場お立場によってかなり考え方が違いますので、相当意見の隔たりがあるというのは事実でございまして、例えば、若い世代だけではなくて、我々の世代でも、私は共稼ぎですが、私の同僚で片働きの人もいますので、そうしますと、我々の中でも時々議論になることがございます。
現行制度なんですが、例えば、片働きで御主人が六百万所得がある、奥さんが専業主婦という組み合わせと、共働きで三百万、三百万という組み合わせを考えますと、世帯全体でいうと、六百万の年収。この形の片働きの方と両働きの方を比べると、基本的には同一保険料同一給付ということになりますので、ある意味では、そういう目で見れば、バランスはとれているという見方もできます。
実は、十六年改正のときには、むしろ、旦那さんというか、働いている方が払っている保険料は夫婦で共同で負担しているものだという考え方に立って、法律上も、保険料は夫婦で共同負担しているという規定を置きまして、そのかわり、離婚したときには、二階の報酬比例の年金も夫婦で分割をするという形で、一種、そういうような考え方に立った改正を実は一度しております。
ただ、そもそも三号そのものをどうするかというのは大変議論になっておりまして、これは、民主党時代の一体改革の大綱の中でも検討課題だと規定されておりますし、今回の国民会議の報告の中でも、国民の間には多様な意見がある、その意見に耳を傾けて、方向性としては、短時間労働者の厚生年金の適用を拡大していくことなど、基本的には、制度の支え手をふやす方向での検討をしろという規定がございまして、そういった規定も踏まえまして、さまざまな御意見を伺いながら、制度改正について検討していくというのが現在の状況でございます。
○重徳委員 難しい問題であるし、立場立場で全然意見が割れる問題なので、簡単ではないことは理解をいたしますけれども、また、非正規の方を対象とするに当たっても、結局、主婦の皆さんがパートに出ると、幾ら以上、何時間以上働いちゃうと損しちゃうから、本当は働けるのに働かないでおくとか、そういう判断をする方も非常に多いですので、これはもう女性の社会進出の妨げにもなるし、何か非常にもったいないことを世の中全体でやっていることにもなります。
ですから、こういうことにも一つ一つめどをつけていかなきゃいけないことだと思います。
それから、次に、保険制度と税の制度とがかなり交錯するような仕組みが今の年金の制度だと思うんです。
まず、これはプログラム法案にも書かれておりますけれども、今回、一体改革の中で、一つの大きなことが、基礎年金の国庫負担の割合を二分の一に引き上げる、これは恒久的に引き上げるんだということなんですけれども、そもそも、どういう趣旨でこういうことになったのかということと、これからどんどん税金が投入されていくということになると、本当にこれは二分の一で完全にぴたっととまって、これ以上はあり得ないことなのか、まず二分の一という段階なのか、そのあたりを御答弁をお願いします。
○田村国務大臣 この国庫負担という部分に関して申し上げれば、国民皆年金の中において、やはり低所得者、無職者、こういう人たちをこの制度の中でどう包含していくのかという中においてこの国庫負担という部分があるわけでありまして、これがなければ保険料が上昇してしまうわけであります。すると、保険料が上昇すると、やはり低所得者の方が、また無職者の方の方が、全体の収入に対して負担が当然大きくなるわけでありまして、だから、そういうものをカバーする意味で、国庫負担というものを入れてまいったわけであります。
二分の一に引き上げたのは、これは十六年改正のときでありますけれども、やはり少子化が非常に進んでくる中において、持続可能な安定した年金制度ということを考えた場合に、先ほどのような観点から、三分の一から二分の一まで引き上げよう。
これは、先ほど来申し上げておりますとおり、こういう制度設計の中で百年間で財政が均衡する、そういう年金制度を五年ごとに財政検証しておるわけでありますから、基本的には、これ以上上がるというようなことは前提には考えていない制度でございますので、二分の一の国庫負担という中においてこれからも運営していく。
その財源をどうするかということでございまして、今般、消費税、若干のタイムラグがあって、本当は消費税でない部分に関して、年金国債みたいな形で対応してきたわけでありますけれども、その返済も含めて、今回、消費税、二分の一という形の中で、八%のときから財源としてしっかり確保していこう。つまり、二分の一の基礎年金の国庫負担部分に関しては、これで財源が確保されるというような話になってきておるわけであります。
○重徳委員 今大臣の御答弁で、基本的にはこれ以上はないという、大分余地を残したような御答弁にも受けとめられたんですけれども。
基本的に、保険で賄うのか、税で賄うのか、これは根本的な部分であるとともに、保険にすると、今大臣の御答弁がありましたように、所得がないとか低いとか、そういう人たちのことを考えると、年金財政全体をもたせるためにやはり税金で何とかしなくちゃいけない、こういうことにどうしてもなっていってしまうんですね。
それから、今私が申し上げている世代間格差ということを考えてみても、今既に高齢者で年金を受給されている方にとっては、保険料を幾ら引き上げたって、受給者は払っていないわけですよね、保険料は。だから、要は、結局、若い人たちからたくさん取って、それが高齢者の方に行くという図式にしかならないわけで、結局、消費税とかあるいは年金課税あるいは相続税、相続税は誰が負担するのかという問題はありますが、基本的には高齢者の資産への課税という意味で、高齢者への課税、こういうことを考えていかない限り、今の世代間格差というのは縮まらないわけであります。
そうやって考えると、保険方式というのはもう、そもそも、これ以上充実もできないし、もともと保険料だけで全然賄えていないわけですから、もともと違うのかもしれないし、さらに、これから世代間の格差を縮めていくためには、もっと税金を、あるいは消費税を投入していかなければこの差が埋まらないなんというようなことを想定しますと、結局、日本の年金制度というのは社会保険が基本じゃないんじゃないか。
だけれども、法律には明記されているんですよね。まず、プログラム法案には、第一条に、社会保障制度改革推進法、つまり、去年の法律第二条の基本的な考え方にのっとってと書いてあるんですが、その社会保障制度改革推進法には、「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、」と書いてあるわけですね。だから、明らかに、今回のプログラム法案は社会保険制度を基本としているわけですよね。政府の立場もそうなんだと思います。
だけれども、去年の法律、ここには、「社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとすること。」というふうに書かれておりまして、何か社会保障が基本といいながら、かなり例外的な、基本に対しては例外であるはずの消費税をどんどん入れていくんだというようなことができるような仕組みになっていて、一体どっちなんだ、社会保険が本当に基本なのか。ここも、社会保険の部分がある限り基本なんだとおっしゃるのかもしれませんが、相当そうじゃなくなってきているし、これから、むしろ世代間格差を縮めるには、税をもっと投入しろという話になってきませんか。
いかがでしょうか。
○田村国務大臣 年金に関して申し上げれば、先ほど来言っておりますとおり、厚生年金でありますけれども、今、被用者年金一元化でございますから、共済もそうでありますけれども、保険料は一八・三でとめるという、そういう法律にしました。
つまり、それ以上は上がらない。上がるとやはり、今委員がおっしゃられたとおり、どんどんどんどん保険料、現役世代の負担がふえちゃいますから、これは困る。では、その分どうするかというと、もらっている、給付者の給付を引き下げるという形でございますから、これは委員がおっしゃられたその趣旨的に言えば、やはり世代間の格差というものがあるのであるならば、これ以上保険料を上げない中において、給付を逆に抑えちゃおうというような制度に変わったのが十六年改正であったというふうに御理解をいただければいいと思います。
でありますから、二分の一という基礎年金の国庫負担、ここの部分で制度設計上とまるという話でございますので、そこは担保しておる制度であるというふうに御理解をいただいて結構であるというふうに思います。
○重徳委員 次に、賦課方式と積立方式について、ちょっと議論をしてみたいと思っております。
済みません、その前の、今の御答弁についても、保険料の方はとめるということはわかったわけなんですけれども、税の方は、やはりどこまででもふえる可能性がこれはまだ残されている。その意味で、消費税が結局何%まで上がっていくかということも、国民にも誰にもわからないという状態の中で、何か、とりあえず、八、一〇と上がっていく、また上がるんじゃないのと誰もが思っていると思うんですね。一〇%で終わらないような気がする、制度のことをよくわかっていなくてもそんな気がする、極めて正しい直観なんじゃないかと思います。
ですから、保険料についてはわかりました。だけれども、むしろ、税のことについて、これをきちんと、この先の道筋というものを、大臣が最初におっしゃった道筋というものを示すのが本来の今回の法案であるべきじゃなかったのかな、こう思うわけであります。
それから、賦課方式と積立方式なんですが、これは、今、専ら、年金制度というのは、先ほどの女子高生だって知っているように、賦課方式だというふうに言われておりますが、ちょっと聞き及んだところによりますと、我が国の年金制度、スタートした当初は賦課方式なんということは言われておらず、積立方式だというふうにスタートしたはずなんですが、まず、それが事実なのかどうかということと、では、いつの間に積立方式から賦課方式に変わっちゃったんだろう、このあたりの御説明をお願いいたします。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
我が国の年金制度は、被用者保険制度でございますが、昭和十七年に発足をいたしました。当時、労働者保険制度という名前で発足をいたしました。制度当初は、委員御案内のように、実は積立方式で始まったものでございます。
この場合の積立方式といいますのは、いわゆる事前積み立てということで、その方が年金受給になるまでの間に、御本人の年金原資を全て事前に積み立てるという前提の制度ということでございまして、実は、この段階で、そのために必要な、我々は平準保険料と言っておりますが、その保険料水準で制度が始まりました。このときに、既に一一%という非常に高い保険料設定、つまり、積み立ての場合ですとそれくらいの保険料で始まるということになります。
それで、十七年にできたんですが、戦後、非常に急激なインフレになりまして、その当時、既に何年間か分、積立金があったわけですけれども、積立金が大幅に目減りをいたしました。
それから、当時の日本の経済状況の中で、これだけ高い保険料を賦課するということが事実上不可能だということで、基本的には、積立方式の仕組みは残しつつも、それを維持するだけの保険料を徴収することができない、経済状況の変化に対応できないということで、保険料を一旦引き下げまして、段階的に保険料を上げるという制度設計に切りかえまして、その形になりました。その意味でいいますと、その段階で、完全な事前積み立てというのは事実上維持できない形になりました。
その後、基本的には、お掛けになった保険料に見合った給付を行うという意味で、積み立ての考え方は残っていたわけでございますが、皆保険の後、高度成長期、昭和三十年代、四十年代には、御案内のように、その時々の経済情勢に合わせて、年金の給付改善、いわば事後的に給付を上げるということをいたしました。そういった、給付の実質価値を維持するために、年金の物価スライドでありますとか、あるいは、再評価と言われている、その方の現役時代の所得水準を現在価格に置き直すという形で、非常に大きな給付改善をするということをいたしました。
こういった中で、保険料は段階的に引き上げを行う、その場合でも五年ごとに千分の十五とか二十とか、高い保険料へ上げてきたわけでございますが、全体として、基本的には、完全に事前に積み立てを行うということではなくて、その時々の、いわば世代間の扶養の形で、いわゆる賦課方式の要素を入れ込むという形で、一定の積立金を持ちながら、後代負担を入れながら給付を確保する、段階的に保険料を上げていくという形に切りかわったわけでございます。
さらに、先ほどからお話に出ております平成十六年の改正におきまして、大臣から答弁がありましたように、保険料を固定する、あるいは給付をマクロスライドを入れるという形で調整をしまして、積立金は、むしろ、今後の少子高齢化で現役と高齢者の負担のバランスがずれてくるのを積立金で調整するという形で積立金を使うという形に切りかえまして、積立金を段階的に取り崩しながら平準化を図るという形で、そういう意味では、現在の年金制度は、相当程度、賦課方式の要素が強くなっているということでございます。
実は、諸外国の年金制度も、基本的には、制度発足当初は積み立てで始まったものが、戦後のそういった経済状況の中で、徐々に賦課方式に移行して現在に至っている。基本的には同様な経過をたどって、今のような年金制度ができているものと承知しております。
○重徳委員 何というか、その場その場でどんどん変わっていった、一言で言うとそういう印象で、この年金の議論はまたさせていただきたいと思います。今、局長がおっしゃった積立金も、相当目減りしているわけですよね、ここ数年で。ちょっとそのあたりも、具体的なことをこれから議論させていただきたいと思います。
最後に、最初に大臣がおっしゃった支給開始年齢について確認をしておきたいんですが、今回の国民会議の報告書では、四十二から四十三ページには、「現在二〇二五年までかけて厚生年金の支給開始年齢を引き上げている途上にあり、直ちに具体的な見直しを行う環境にはないことから、中長期的課題として考える必要がある。」というふうにあるわけなんですが、何というか、二〇二五年までの話はもう既に決まっているわけですから、言ってみれば、支給開始年齢のことを考えるとすれば、そこから先のことを考えるというのがテーマなんじゃないかと思うんです。
これから先、さらに寿命はまだ延びるでしょう。それはもちろんあるにしても、やはりこの先の道筋ということを考えると、二〇二五年といったら十何年後ですからね、だから、今五十代半ばぐらいの方が意識されるぐらいのことで、まだ女子高生が考える必要はないかもしれませんが、三十代、四十代の方が、一体、自分たちは何歳になったら年金がもらえるんだろうかということが全然わからないわけですよ。こういうことをはっきりさせないままの報告書であり、かつ、今回のプログラム法案ではないか。
プログラム法案も、支給開始年齢について書いてあるというもので、どこに書いてあるんですかと聞いたら、六条二項三号に、「一人一人の状況を踏まえた年金受給の在り方」と書いてあるだけで、全然、年金支給年齢の話とは普通読めないですよね。こういう書き方にとどまっていること自体、どうかと思います。
このことについて、最後に大臣の御見解と、さらに、さっきから申し上げております世代間格差、これは、とにかく強烈にもっと言っていかないと、若い人たちも漠然と危険感を感じていますけれども、わかっておりません。まして、年配の方々は、もちろん自分たちの生活、大事です。でも、中には、心ある方々は、若い人たちにいい社会を残していかなきゃいけないとおっしゃっているわけですよね。なので、そういう方々にも、なるほど、こういうことかということをわかるようにアピールしていただきたいということについて、大臣の御見解をお願いします。
○後藤委員長 では、田村厚生労働大臣、短くお願いします。
○田村国務大臣 ちょっと短く答弁するのが非常に難しい、幅の広いお話でございますから、また次回、ゆっくり答弁させていただきたいと思います。
支給開始年齢の引き上げに関しましては、これは、働ける環境というものとの相対であります。あわせて申し上げれば、生涯もらえる年金自体の面積が変わる話ではないので、支給開始年齢を引き上げれば、もらえる年金期間は短くなる分だけ山は高くなる、つまり支給金額は高くなるということになりますから、そこのところが誤解なきように我々はPRしていかなきゃいけないのであろうというふうに思います。
それから、世代間格差の話を申し上げれば、ちょっと一億円というのは、余りにもこれは、全ての借金を、今ある借金を次の世代が受け持ったという話でございまして、借金を全部返すのかというような話でございますから、これは、経済成長との見合いの中で、GDP比でどうやってこの公債の割合というものを下げていくかというのが世界の趨勢でございますので、これもまた、今度ゆっくりと委員と議論をさせていただきたいというふうに思います。
ありがとうございます。
○重徳委員 どうもありがとうございました。