H27.5.13 厚生労働委員会================○渡辺委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 維新の党の重徳和彦です。
本日、お時間を頂戴しまして、ありがとうございます。
私は、三十分の時間をいただきましたが、二点、二つのテーマについて質問させていただきます。
まず一つ目は、子宮頸がんワクチンの副反応についてでございます。
この委員会でも、四月十五日、阿部知子委員が質問をされておりましたけれども、私は、まず最初に、全国に七十あるという協力医療機関について質問させていただきます。
もちろん、協力医療機関として指定を受けて、しっかりと対応されている病院も多いとは思いますが、しかしながら、患者の立場からすると、副反応被害への理解が十分でないような、そういう対応を受けているというような声も聞かれております。
実際に私のもとに届いている声も少し紹介しますと、症状があらわれてから三年以上になりますが、いまだに厚労省の協力医療機関は副反応に無理解な対応で、被害者本人の生活が一変しているのに、何も補償されません。それから、国の言うことしか聞かない医療関係者じゃなく、もっと親身になって考えてくれる医師に治療をお願いしたい。どの病院を信用していいのか、どの医師を信用していいのか、どんな治療を受けていいのか、全てが不安だらけ、お試しのような治療は受けられません。こんな声が届いております。
そこでまず、確認ですが、協力医療機関とはどういう機関を指定し、どんな役割を担わせているのか、御答弁願います。
○新村政府参考人 お答えをいたします。
御指摘の協力医療機関でございますが、これは、HPVワクチンの予防接種後にさまざまな症状を生じた患者さんに対しまして、より身近な地域において適切な診療を提供するため、都道府県単位で選定を行っているものでございます。現在、全ての都道府県で七十医療機関が確保されております。
協力医療機関は、地域の医療機関あるいは厚生労働科学研究の研究班のメンバーが所属する医療機関などと連携し、地域における中核的な医療機関として診療を行う、そういった役割を担っております。
具体的な要件ですが、まず一点目として、関係する全ての診療科の医師等が、当該医療機関の役割について理解していること。二点目として、医学的に必要な鑑別診断を実施していること。三点目として、整形外科、神経内科、小児科等の複数の診療科があり、協力を得られるなど、さまざまな領域の診療を提供するための体制が整っていること。こういった要件を満たすことが望ましいとしているところでございます。
○重徳委員 非常に大ざっぱな話はわかりましたが、しかし、現在、実際に厚労省が、子宮頸がんワクチンの副反応被害、その詳細な実態も把握していない、因果関係も明らかにしていない、まして治療方法は全く不明というような中で、副反応被害者の子供たちあるいは家族の皆さんは、この協力医療機関に一体何を期待していいのかわからない。逆に言うと、もしかしたら、医療機関側も、自分たちに何を期待されても困ってしまう、こんな状況にあるのではないかと思うんです。
厚生労働省として指定した以上は、少なくとも患者本位で、患者の立場に立って、原因もよくわからない、副反応の症状もいろいろだという状況をきちんと理解した上で、今要件の中には、その役割をちゃんと全ての診療科の医師等が理解していることというふうには一応おっしゃいましたし、そういう通知も出ているようでありますが、これを徹底させるための努力はちゃんとされているんでしょうか、どうなんでしょうか。まだまだやれることはあるんじゃないですか。現場はいろいろな声が届いております。
○新村政府参考人 七十の医療機関、大学病院等、さまざまな診療科のそろった医療機関が選定されておりますけれども、現場にこういった選定の趣旨を今後もさらに徹底していくという努力は必要であると考えておりますし、また、新しい病態でもありますさまざまな副反応、その対応というのは困難な面もあるかと思いますけれども、研究班のメンバー、医師等からの研修事業なども少しずつ始めておるところでございますので、患者さんの受け入れにつきまして、なるべく丁寧に行うように今後ともお願いしてまいりたいと考えております。
○重徳委員 今後も趣旨を徹底される、研究班の成果なりを研修を行って周知していくということですが、本当に、心身の苦痛はもちろんのこと、経済的な面からさまざまな負担が家族全員に重くかかっているような状況でありますので、今局長、なるべくというような言葉も入りましたが、なるべくじゃなくて、本当にこれは徹底してもらわなくちゃ困ります。ぜひ患者本位の、難しい状況であるからこそ徹底をしていただきたいと思います。強く要望をさせていただきます。
そして、次に、子宮頸がんワクチンの副反応、医療費、交通費などの経済的負担もかかりますし、生活上のさまざまな困難も、まだ中学生、高校生ですから、学業への影響、家族の皆さんの御心痛、さらに今後の人生への不安といった、金額でははかり切れないような大変な負担が重くのしかかっているわけであります。
もう少し被害者の皆さんの声を紹介させていただきますが、激しい頭痛と体調不良で高校はほとんど通学できず、留年を重ね、一学年も進級できないまま退学せざるを得ませんでした。それでも、仲のよい友人たちが夢に向かって頑張っている姿を応援して、大学合格を心から喜んでいる娘の姿に何度も涙しました。
入院中に高校受験し無事合格しましたが、二カ月で体調不良のため登校できなくなりました。学校の配慮もあり何とか進級できましたが、まだあと二年あります。
それから、高校に入って三カ月ぐらいで寝たきりになり、高校も退学し、その後、脳がどうなってしまったのか、認知の症状、声も、話し方まで今までと変わってしまい、家から一歩も出ないし、病院さえ行けないこともあります。このままだと働くこともできないし、親がいなくなったときどうやって生きていくのか、娘の将来がとても不安になります。
それから、頑張っている子もいます。頑張って大学進学はできましたが、体調不良はまだまだ続き、不安と闘っています。
大学進学なんて無理しなくていいよと娘に言ったら、自分で就職口を探さないと、いつまでも親に頼れないでしょう、こんなことを言われたという声も上がっています。
何せ、治療方法を早急に確立して、副反応の症状を一日も早く和らげてあげたい、これはもう本当に本意でございます。医療の専門家の研究のスピードを上げていただきたいということがまず第一なんですが、せめてその前に早急に行っていただきたいのが、金銭的な補償、救済でございます。
現行法制では、PMDA法、予防接種法に基づく救済制度というものがあるんですが、これは、これまでの委員会などでのやりとりを拝見しておりますと、制度上、因果関係がはっきり認定されないと支援できないということです。それはそうでしょう。
だからこそ、今、厚労省では、副反応報告が行われた二千四百七十五件、この追跡調査を行っていて、副反応被害の全体像を明らかにした上で、個別のケースの因果関係の有無を判断して支援を行うという手順だと。
手順はそのとおりだと思います。問題は、いつ救済が始まるのかということです。ずっとずっと皆さん待たされ続けているわけです。
資料一をごらんください。毎日新聞四月三日の記事でありますが、「子宮頸がん ワクチン被害救済進まず 国、半年間処理なし」ということであります。
処理なしというのはどういう意味かというと、健康被害に対する救済手続、これは、任意接種の場合はPMDA法に基づく救済、それから定期接種については予防接種法に基づく救済なんですが、現在、この記事によりますと、六十人以上の方が審査待ちで、昨年十月以降一件も処理されていないということです。
この記事の中には、厚労省やPMDAの担当の方のコメントも出ておりますが、正直、一体何でストップしているのか、何に時間がかかっているのか、さっぱりわかりません。
自治体が、しびれを切らして動き始めています。国の動きを待ったが、いつまでたっても動かないということで、独自の支援を、大きいところだと横浜市、東京都内でも杉並区、武蔵野市、私の地元愛知でも碧南市が自治体独自の救済制度を始めようという状況になっております。
一体、これまで大臣もおっしゃっていました追跡調査というものは、何を調べているんですかね。二月末までに医療機関から生データが出てきた、これは聞いています。それからもう二カ月以上たちました。現在それを取りまとめているという話は聞いています。一体何を調査して、現在何を整理して、いつまでに取りまとめようとしているのか。取りまとめたら、それは即救済に入ることができる、こういうことでしょうか、大臣。いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今お話ございました追跡調査でございますけれども、これは、原則として全ての副反応報告、先ほど二千四百七十五とおっしゃったんですが、現在約二千六百になっておりまして、この二千六百を全て対象として、ワクチンの製造販売業者から情報の提出を求めているわけでございます。
これは、当初は二十七年二月末までに情報の提出を求めておったわけでありますけれども、最終的に集まり切ったのが四月でございまして、現在、その調査結果の集計、分析を行っておって、結果がまとまり次第早急に、厚生科学審議会の副反応検討部会に報告をするとともに、公表を行いたいというふうに考えております。
この追跡調査は、HPVワクチン接種後に生じる症状の内容、程度、治療などについて情報を充実させるためにこの調査をしているわけでございまして、さらに、この調査結果を踏まえて、その後の救済に係る審査を行う関係審議会で、HPVワクチンに関する個々の申請の審査を速やかに進めていきたいと思っております。
御案内のように、定期接種前と後で扱いが異なるわけでございまして、平成二十五年四月の定期接種化前は、PMDAの医薬品副作用被害救済制度というのが適用となるわけでございまして、因果関係等の判定は薬事・食品衛生審議会副作用・感染等被害判定部会というところが行いますけれども、定期接種後は、つまり二十五年四月以降については、予防接種法の健康被害救済措置というのが適用になります。疾病・障害認定審査会感染症・予防接種審査分科会というのがございまして、ここが所管をして審査を行うということになるわけでございます。
四月、連休前にそろったところで、今、この二千六百件を鋭意集計して、それぞれの内容、程度、これまでやってきた治療などをきっちり分析した上で集計して、まとまり次第、できる限り早急に公表したいというふうに考えているところでございます。
○重徳委員 被害者の方あるいは家族の方は、ワクチンがいい悪いとか、勧める勧めないとかいうことよりも、実際に目の前で今苦しんでいるこの子たちを救いたい。あるいは、実際に母子家庭の方だっているんです。もう限界だ、たび重なる入院、自宅にいても目が離せなかったら仕事にも行けない、こういう状況だから、とにかく一刻も早くまず救済を、最終的にはもちろん治療をするということですが、まず政府のできることを早急にやっていただきたいと思います。
四月、ゴールデンウイーク前にデータが集まったということですが、いつを目標に取りまとめをされるんでしょうか。ぜひともリーダーシップを発揮していただきたいと思います、大臣。
○塩崎国務大臣 重徳先生と思いは私も全く同じでございまして、何度となく私の大臣室でこの問題について議論をしてまいりました。
今申し上げたように、正確を期すためにも、集まったものを今鋭意やっておりますので、できる限り本当に早く公表できるように、しかし正確なものでないといけませんので、正確性を期して、しかし迅速に公表できるように、督促してまいりたいというふうに思います。
○重徳委員 政府は何をやっているかわからないという声も多いので、とにかくスピード感を持って情報提供していただきたいと思うんです、今どういう状況、どういう段階なのかと。四月、ゴールデンウイーク前にやっと集まったというのも今初めて聞きましたけれども、そういう状況も積極的にむしろ発信すべきではないかと思いますので、これも強く要望させていただきます。
次に、二つ目のテーマですが、今度は児童虐待に関連しまして、特に性的虐待に関連しまして、欧米で既に導入されている司法面接、司法というのは司法、立法、行政の司法ですね、司法面接について御紹介をするとともに、私、いつもは法務委員会で今活動させていただいております、既に法務委員会で何度もやりとりをさせていただいておりますので、担当の方は厚労省の皆さんも十分御承知の司法面接について、進めていただきたいということを申し上げたいと思います。
この司法面接、一体何かというと、性的虐待事件で加害者が立件、起訴される、こういういわゆる刑事事件に発展するケースでは、被害を受けた側の児童が、児童相談所でいろいろな話を、言いたくもない、思い出したくもないようなことを聞かれる、言われる。だけれども、児童相談所は心のケアという児童福祉の観点を持っているからまだいいんでしょう。でも、同じ内容のことを警察にも取り調べとして聞かれ、さらに検察からも起訴する、しないの判断のために同じようなことを聞かれる。こういうことで、もう本当にいたいけな子供が大人から厳しい質問を時にされ、過重な心理的負担を与えられて、その心の傷というものはいよいよ一生消えない傷になる、こういう問題であります。
私は、超党派の自殺対策の議員連盟の若者自殺対策ワーキングチームの事務局長もさせていただいておりますが、特に若年女性の自殺の原因、大きな理由として、幼いころの性的虐待ということも、もちろん性犯罪もそうですが、そういったことが原因となっていることが多い、そういう指摘も出ております。本当に深刻な問題であります。
そこで、司法面接というのは、今申し上げました、児相、警察、検察、これが省庁横断で多機関連携チームというものをつくりまして、代表して、あるいは専門家のどなたか一人の方が、一対一で被害を受けた児童と面接をして、一回限りで面接を終える。そこで得られた証言というものは、警察が立件する上での証拠にもなり、また、起訴された上での裁判上の証拠としても取り扱えるようになる。これが司法面接でございます。
この司法面接、既に、児童相談所職員のバイブル的な「子ども虐待対応の手引き」の中でも、欧米での取り組みとして事例が紹介されているようなものであります。
とにかく、現状は、縦割り行政を前提に、もう本当に、大人たちが、しかも公的な機関が、寄ってたかって子供の人生をぼろぼろにしていく、こういうことでございますので、この縦割り組織を超える連携チーム、ぜひとも仕組みをつくっていくべきではないかと思っています。
そこでまず、現状を確認したいんですが、児童相談所は、被害児童との面談において、当然、児童福祉の観点から心のケアに十分配慮していると思います。その一方で、警察、検察というのは、その組織の目的、ミッションが違いますので、私の感覚からすれば当然、被害児童の心理的負担というものに児童相談所ほどは配慮が行き届いていないのではないかということが想定されるわけなんですが、この点、厚生労働省としてどのように認識されていますか。
○安藤政府参考人 議員御指摘のとおり、児童相談所におきましては、児童虐待の被害児童に対する面談につきましては、被害児童のペースを尊重しながら丁寧に話を聞いて真剣に受けとめることですとか、話を聞くことが被害児童にとって二次的被害にならないようにというような配慮を細かくしているところでございます。
警察や検察が実施する事情聴取におきましても、事情聴取が児童の負担となり得るものであることなどを考慮いたしまして、負担を軽減するため、可能な限りの配慮に努めておられるものと承知をしております。
○重徳委員 警察、検察側をおもんぱかっての御答弁という印象ですが、そうはいっても、児童相談所ほどは配慮が行き届かないと思うんですが、どうですかね。もう率直におっしゃってください。別に、そんなにおかしなことじゃないと思います。
○安藤政府参考人 確かに、組織目的が違うという御指摘もあろうかと思われますが、ただ、近年、児童相談所におきましても警察その他と日ごろから連携を図っておりまして、そうした中で価値観を共有することが進んできているように思っております。
○重徳委員 それではちょっと切り口を変えますが、今申し上げましたような警察の取り調べ、検察の取り調べに、児童相談所の職員が立ち会うというようなケースというのは実際にあるのでしょうか。
○安藤政府参考人 先ほどちょっと申し上げました警察との連携ということでございますけれども、厚生労働省では、被害児童の安全を確保するために、児童虐待の通告を受理した後で、被害児童及び保護者に関する情報を警察や検察に対して情報提供をすることでありますとか、逆に、警察や検察から児童相談所に情報提供を行うように児相の方から求めるというようなことなど、相互に必要な情報交換を行うように各都道府県に通知しているところでございます。また、児童虐待対応について、警察、検察との日ごろからの連携、それぞれのノウハウの共有なども含めまして推進をしているところでございます。
このような連携のもとで、現場の児童相談所においては、検察や警察に対して児童相談所が被害児童を面談した際の様子をお伝えしたり、また、そうした情報提供をする中で、連携の一環といたしまして、事情聴取をなさるときに児童相談所の職員が立ち会うケースもあるというふうに聞いております。
○重徳委員 そういう御努力はもちろん必要なことだと思いますし、現行制度を前提とすれば、もっともっとそういった努力という方向だと思うんですが、私が司法面接で問題にしているのは、そもそも、今、安藤局長が、情報を提供しているとか情報を交換しているというふうにおっしゃいましたが、児童相談所の持っている情報、被害児童に関する情報を警察に提供しても、それで警察はそれ以上被害児童から取り調べをその部分についてはしないということはしていないわけなんですね。わかったと、それをわかった上でもう一回聞くというのが今行われている運用なんです。これはもう法務委員会で確認済みなんですけれども。
それはもうわかりました。現状はそういうことですね。
それでは、資料三をごらんいただきたいんですが、実は、神奈川県の伊勢原市に、駅の近くに、日本初と言われます子どもの権利擁護センターというものが設立をされました。これは小児科医の山田不二子先生という方なんですが、その方がこの司法面接に従前から非常に熱意を持っておられまして、この権利擁護センターというのは何かというと、今申し上げました司法面接を行う場所を想定してつくった施設でございます。
この写真だけごらんいただきたいんですが、真ん中の司法面接室という、非常に殺風景な部屋がありますが、殺風景なのは子供が気を散らさない、ほかのことを考えない、ほかのものに気が紛れないように、純粋な証言を引き出すためにこういう殺風景な面接室なんですが、ここで一対一で面接官がその児童と面接をします。ここにはビデオカメラが設置をされています。
それで、この右側の写真が観察室といいますが、そこの奥の黒いのがモニターでありまして、そのビデオカメラで撮った映像、もちろん音声も、この観察室に映像が映し出されます。ここに児童相談所の職員、警察官、検察官が一堂に会して、情報をそこで一緒に共有するということですね。当然、警察からすると、足りない質問、これも聞いてくれというのがあれば、インターホンで司法面接室に連絡をして追加で聞いてもらう、これによって面接を一回で終わらせよう、こういう仕組みであります。これは欧米で既にやっている仕組みですから、決して不可能な仕組みではありません。必要に応じて、証拠として提出できる録画DVDもその場でできます。
この施設、先般、私は維新の党の初鹿議員と一緒に視察に行ってまいりました。また、民主党の岡田代表や長妻議員、後藤祐一議員も視察をされてきたということなんですけれども、こういう施設を利用して、まず、現場でモデルケースをつくってはどうかと思うんです。この場に実際に児相、警察、検察が一堂に会して連携を進める、こういったことを現場レベルでまずやってみる、そこから、うまくいくこと、うまくいかないことを抽出して、制度も見直していく、こういうやり方も一つありなんじゃないかと思うんです。
やろうと思えばすぐ、すぐというか、やれる環境にはなっていると思うんですね。もちろん、警察、検察側の問題はあります。しかし、厚生労働省として、あるいは児童相談所として、これを進めない理由はないと思うんです。
大臣、これは現場の取り組みというものをぜひ後押ししていただきたいと思うんですが、もし詳細がわからなければ、もうちょっと深めていただく必要もあると思いますが、今の大臣の印象はいかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今先生が資料としてお配りをいただいたこの伊勢原のケースは、私は、これがオープンする前に話を直接聞いております。非常にいい取り組みではないかと私も思ったところでありまして、児童虐待の被害児童に対する面談で、心理的負担の軽減をどれだけするかということ、そして、話を聞いたり、話をしてもらうということによって、言ってみれば、被害児童の心理的な二次被害みたいなものが起きてしまうということにも十分配慮をしなければいけないというふうに思います。
そういう意味で、子供の虐待に関する基本的な対応のあり方を示す「子ども虐待対応の手引き」というのがあって、面接時の被害児童の負担の軽減のために、必要な情報を一人の面接者が集中して話を聞くようにすることで、同じ内容の話を子供に繰り返し繰り返し言わせるということがないような工夫について示しはしているんですね。
しているんですが、本年四月十五日の衆議院の法務委員会で、法務大臣から、司法面接の制度そのものを直ちに導入することについてはいささか慎重な検討を要する旨の答弁があったと承知をしているわけでありますが、厚生労働省は児童福祉法を所管しているんです。その中に児童相談所というのが書かれていて、各都道府県につくれ、こういうことになっているわけでありますから、言ってみれば、児童の福祉に関しては、元締めは厚生労働省ということだと思うんです。
それもかつては、言ってみれば、戦争孤児、あるいは町にあふれ返っていた浮浪児のための法律だったものが、今やそうじゃなくて、児童虐待とかが中心となっている中にあって、私どもとしては、やはりこういう問題には正面から立ち向かわないといけないんじゃないかというふうに思います。
被害児童の福祉の観点に我々は立って、そして、さらなる心理面の負担軽減に配慮をしながら、被害状況を確認する面接のあり方については、今のこの一回で済ますという、そしてまた一人の面接官が後ろに控えて見えないようになっている、言ってみれば圧力を加えないような形でやるということは、私は大変意味があると思います。
我々はかつて、犯罪被害者等基本法というのをつくりました。これは実は、かつては、犯罪被害者というのは、その加害者の裁判がいつあるかということすらも全く知らされない、そういう扱いを受けていました。今や裁判所の中でも、バーの中で発言ができるというところまで、その基本法によってできました。そのときに中心的にやったのが、実は今の法務大臣の上川陽子さんで、私と一緒にこの基本法をつくったわけでありますので、必ずや上川大臣も理解を示してくれるんじゃないかと思うので、私は、児童福祉の観点から、この問題、今お話しのように前向きに考えていきたいというふうに思います。
○重徳委員 大臣、大変前向きな御答弁をありがとうございます。上川大臣はやや慎重ですので、ぜひとも前を向かせていただきたいと思います。ぜひ、ともに前に進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございました。